銚子電鉄の謎の魅力を満喫!「犬吠駅」編~ぬれ煎餅を焼け~

犬吠駅へ

その2に続き……

「花鯛御膳」「だじゃれ大会」の二本立てで「鯛パニック号」の運行はおしまい。仲ノ町駅で鯛パニック号の記念撮影などを行ったところで、和やかな雰囲気のまま解散と相成りました。しかし終了時刻は14時15分、まだまだ銚子電鉄を楽しむ時間はあります。

というわけで取材班は外川駅の隣、犬吠駅へ。

犬吠駅といえば「関東の駅百選」に名を連ねる屈指の名駅として知られています。最近では国土交通省の関東運輸局が開催する第2回「関東の地域鉄道スタンプラリー」の対象8駅にも選ばれました。観光スポットとしてはイギリスから招へいした灯台技師ヘンリー・ブラントンの設計による「犬吠埼灯台」があまりにも有名です。今回は時間の都合もあって行けませんでしたが、機会があるなら是非とも訪れたいですね。

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第2回「関東の地域鉄道スタンプラリー」対象8駅発表――国土交通省関東運輸局

犬吠駅の愛称は「OTS犬吠埼温泉」――命名権を購入したのは沖縄ツーリスト株式会社。確かに旅行会社が買いたくなりそうな素敵な駅舎……というわけで、銚子電鉄取締役営業戦略担当の柏木さんに頼んでじゃんじゃん写真を撮らせていただきました。

奇跡のぬれ煎餅手焼き体験

銚子電鉄といえばぬれ煎餅――と書くと、電車より先に「煎餅」が出てくるのは間違っているのではないかと言われそうですが、実際問題として銚子電鉄の経営は何度もこの煎餅に救われてきました。詳細は「銚電ストーリー(奇跡のぬれ煎餅)」(外部サイト)をご確認ください。

犬吠駅では実際に煎餅の手焼き体験が可能ということで、早速焼かせていただくことに。

焼き網の上に固い煎餅を押し付けて、トングでくるくるひっくり返しながら、煎餅が膨らんできたら押してのばす。簡単そうに見えますが、これが思った以上にせわしない。タイミングと押す力の見極めは超至難です。銚子だけに。

良い焼き色がついたらたれに一気に漬けます。

肝心のお味はとっても美味。たれでしっとりとした表面にサクッとした食感のハーモニーが心地よい。たれは最近薄味に変更したとのことで、くどくない味付けのおかげで何枚でも食べられそうです。食事の前に出しちゃいけないおやつですね。

「銚子電鉄を助けたい」――銚子電鉄が危機に瀕したとき、ぬれ煎餅を購入した人たちはきっとこう考えていたに違いない。その思いが「ぬれ煎餅の購入」という形をとったのであって、別に煎餅自体が鉄道事業者を走らせるほどの商品だったわけではないというか、煎餅そこまで売れるんやろかと考えていたのですが……この煎餅は普通に美味しい。日本全国どこに流通してても違和感がありません。感動した取材班が「このぬれ煎餅が、銚子電鉄を救ったんですね」と聞くと、売店のおばちゃんは意味深に微笑み「今はね、まずい棒」と教えてくれました。みなさんはまずい棒を買いましょう。

中井精也ギャラリーでは何かが起きている

他にも銚子電鉄犬吠駅には、2017年3月に台湾国鉄蘇澳線(すおうせん)と銚子電鉄が姉妹鉄道提携をしたときの記事などが展示されています。鉄道ファンとしてはこちらも気になるところではあるのですが、犬吠駅の2階にある「銚電写真館 中井精也ギャラリー」に惹かれてしまうのがサガというもの。

ギャラリーは現在全力で改装中。往年の鉄道写真と――

ジオラマの他に、まだ詳細を書くことは出来ませんが素敵なものが用意されていました。

なんでも「五人のプロ集団が一日でやってくれました」と、秀吉の一夜城のようなごとき言い回しでしたが、どうやら鉄道写真の好きな大人だけでなく子供が楽しめる素敵な写真館に生まれ変わるようです。詳細は銚子電鉄から正式に発表されてから記事にさせていただけたらなあ、と思います。

「鯛パニック号」のような謎の魅力に満ちた観光列車を走らせるだけでなく、力強い駅名標やレトロな風景、銚子の美味い飯と愉快な人たち……あの手この手で私たちを引き込み、いつ来ても変わったイベントを開催している銚子電鉄。今度は銚子級ならぬ超C級映画「電車を止めるな!」も制作するとのことで、また楽しいことを巻き起こしてくれるのではないでしょうか。

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