ロッテが“黒字”転換、阪神は“赤字” 「本塁打収支」で見る12球団の序盤戦

ロッテ・井口資仁監督(左)と阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】

2019年の1試合あたりの本塁打数は増加、球団別の「本塁打収支」を見ると…

 2019年のNPB1試合当たりの本塁打数は、4月19日時点で1試合当たり2.06本。昨年は1.92本だから、少し増加した。しかし球団別の本塁打収支(本塁打数-被本塁打)を見ると各球団で大きな変化があることがわかる。

【パ・リーグ】2018年と2019年の比較

西武
2018年 143試合196本148被本(収支+48本)
2019年 17試合16本18被本(収支-2本)

ソフトバンク
2018年 143試合202本163被本(収支+39本)
2019年 19試合22本14被本(収支+8本)

日本ハム
2018年 143試合140本121被本(収支+19本)
2019年 18試合8本16被本(収支-8本)

オリックス
2018年 143試合108本127被本(収支-19本)
2019年 18試合18本16被本(収支+2本)

ロッテ
2018年 143試合78本129被本(収支-51本)
2019年 17試合23本21被本(収支+2本)

楽天
2018年 143試合132本143被本(収支-11本)
2019年 17試合15本17被本(収支-2本)

 西武は昨年196本塁打を打ち、本塁打収支もリーグ1位の+48本。圧倒的な打撃で大きな“黒字”だったが、今季は試合数を下回る16本で、収支は-2本となっている。

 ソフトバンクは今季も打線の勢いは変わらず。日本ハムは、昨年は+19本だったが、今季は-8本と“赤字”。被本塁打が本塁打の倍になっている。オリックスは昨年-19本。被本塁打が多かったが、今季は+2本と“黒字”。若手打者の活躍が目立っている。

 ロッテは昨年は143試合で78本塁打だったが、今季は17試合で23本塁打。今年から左右中間を最大4メートル前に出し、テラス席「ホームランラグーン」を設けた。被本塁打も増えたが収支は+2本と“黒字”だ。楽天は今年も昨年も本塁打収支はマイナスだ。

好調の中日は昨年の“赤字”→“黒字”に、阪神は今年も“赤字”

【セ・リーグ】

広島
2018年 143試合175本138被本(収支+37本)
2019年 18試合15本15被本(収支0本)

ヤクルト
2018年 143試合135本143被本(収支-8本)
2019年 19試合22本30被本(収支-8本)

巨人
2018年 143試合152本144被本(収支+8本)
2019年 17試合28本18被本(収支+10本)

DeNA
2018年 143試合181本149被本(収支+32本)
2019年 18試合20本13被本(収支+7本)

中日
2018年 143試合97本149被本(収支-52本)
2019年 17試合17本13被本(収支+4本)

阪神
2018年 143試合85本127被本(収支-42本)
2019年 19試合16本29被本(収支-13本)

 広島は昨年37本の“黒字”だったが、今季は収支0。ヤクルトはやや被本塁打が増えている。

 巨人は、昨年も8本の“黒字”だったが、今季の“黒字”は早くも昨年を上回っている。DeNAも昨年の本塁打王ソトが早くも6本塁打。収支は“黒字”だ。中日は昨年、本塁打収支は52本もの“赤字”だったが、今季は打線好調で“黒字”に転じている。

 心配なのが阪神だ。昨年は-42だったが、今季も19試合目で-13、本塁打は多少増えているが被本塁打がさらに増えている。19日もメッセンジャー、桑原で3被本塁打。投手陣が不安定だ。まだ序盤だが、移籍の効果や球場改修の効果が数字に出始めている。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2