【チャンピオンズリーグ】天国か地獄か…CLでVARが下した11の判定

劇的な幕切れとなったマンチェスター・シティとトッテナム・ホットスパーの試合で、後半アディショナルタイムに重要な判定を下したVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)。今シーズンからUEFAチャンピオンズリーグで導入されたVARはチームにとって助けとなったか、またその逆か…。決勝トーナメントで下した11の判定を振り返る。

アヤックス vs レアル・マドリード:決勝T1回戦1stレグ
今シーズン初めてのVARは、アヤックスのニコラス・タグリアフィコがネットを揺らしたシーンで使われた。直前のシーンでドゥシャン・タディッチがオフサイド、タグリアフィコがレアルGKティボー・クルトワのプレーに干渉したとしてゴールは取り消しに。結局アヤックスはホームで1-2の敗北に終わった。

シャルケ04 vs マンチェスター・シティ:決勝T1回戦1stレグ
シティが1点リードしていた場面で、シャルケのダニエル・カリジューリのシュートをニコラス・オタメンディがペナルティエリア内で手でブロック。カルロス・デル・セロ主審は最初CKとジャッジしたが、VARによりペナルティスポットを指差し、ナビル・ベンタレブが決めて1-1の同点に。この得点で試合の行方が分からなくなり、終盤にシティが逆転勝利する劇的な展開となった。

アトレティコ・マドリード vs ユベントス:決勝T1回戦1stレグ
アトレティコが勝利した一戦で前半にジエゴ・コスタがマッティア・デ・シリオにペナルティエリア付近で倒される。PKかに思われたが、VARで映像を振り返りPA外の判定に。さらに後半には、アルバロ・モラタでネットを揺らした場面でユーベのジョルジョ・キエッリーニを押したとしてゴールが取り消される。これらのジャッジがのちに影響し、アトレティコは2戦合計2-3で大会を後にした。

パリ・サンジェルマン vs マンチェスター・ユナイテッド:決勝T1回戦2ndレグ
ドラマティックな展開となった一戦で起きた後半アディショナルタイムのプレー。ユナイテッドのディオゴ・ダロが放ったシュートがプレスネル・キンペンペの手に当たったとされ、CKがPKの判定に覆る。マーカス・ラッシュフォードが振り抜いたシュートがネットを揺らし、ユナイテッドがCL史上初の2点差からの逆転勝利を達成した。

ポルト vs ASローマ:決勝T1回戦2ndレグ
死闘の決着がVARに委ねられた事もあった。2戦合計3-3で延長戦に突入した同カードは、117分にポルトのフェルナンドがローマのアレッサンドロ・フロレンツィにペナルティエリア内で倒されると、VARの結果PK判定に。アレックス・テレスが決めてポルトが次ラウンド進出を果たし、この試合がきっかけでローマのエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督が解任となった。

マンチェスター・シティ vs シャルケ04:決勝T1回戦2ndレグ
シティが決めた4点目で、レロイ・ザネのクロスに合わせたラヒーム・スターリングがオフサイドのように見えたものの、VARはオンサイドと決断。その後もゴールショーは続き、シティが2戦合計10-2でシャルケを粉砕した。

トッテナム・ホットスパー vs マンチェスター・シティ:準々決勝1stレグ
序盤から攻勢に出たアウェイのシティは、11分にラヒーム・スターリングが右足でシュートを放つ。トッテナムのダニー・ローズのブロックでゴールから外れるが、VARをチェックした主審は手に当たったと判断してPKを指示。ビッグチャンスにセルヒオ・アグエロがゴールを狙うものの、GKユーゴ・ロリスのファインセーブに遭い、シティの先制弾とはならなかった。

バルセロナ vs マンチェスター・ユナイテッド:準々決勝1stレグ
1stレグで先勝したバルセロナは、11分にイバン・ラキティッチがペナルティエリア内でユナイテッドのフレッジに倒されてPKをゲット。ところが、フェリックス・ブリッヒ主審はVARの結果PKを取り消しに。それでも、リオネル・メッシが輝きを放ち、2戦合計4-0でバルサがベスト4進出を果たした。

ユベントス vs アヤックス:準々決勝2ndレグ
クリスティアーノ・ロナウドがヘディングシュートでCL126回目の出場を祝った場面。アヤックスのジョエル・フェルトマンを倒したかに見えたものの、VARで振り返りると押したのはマタイス・デリフトだと判明し、C・ロナウドのゴールは認められた。

ポルト vs リバプール:準々決勝2ndレグ
2-0で先勝していたリバプールは、敵地に乗り込んだ2ndレグで28分にモハメド・サラーのパスからサディオ・マネがネットを揺らす。ポルトはオフサイドをアピールし主審もVARで確認したものの、判定は覆らずリバプールが先制に成功。この得点を皮切りに確実にゴールを積み重ね、2戦合計6-1でポルトを撃破した。

マンチェスター・シティ vs トッテナム・ホットスパー:準々決勝2ndレグ
今シーズンのCLでもベストマッチの一つに挙げられるゲームは、73分にフェルナンド・ジョレンテの得点でトッテナムがアウェイゴール差でリードを奪う。ハンドに見えた場面だったものの、VARもゴールの判定で時間が進むと、後半アディショナルタイムにシティのラヒーム・スターリングがセルヒオ・アグエロのパスから左足でシュートを決める。エティハド・スタジアムが歓喜に包まれる中、VARをチェックしたレフェリーは直前のプレーでアグエロがオフサイドだったとジャッジ。ゴールは取り消され、トッテナムが激闘を制した。

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