三次と周南、市長交代 統一選後半戦

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初当選を決め、支持者から花束を贈られる福岡さん(中)

 市政の継続か転換かを最大の争点に21日、投開票された三次、尾道、周南の3市長選。いずれも無所属で立った現職に無所属新人が挑む構図となった選挙戦で、有権者は三次、周南では転換を選び、尾道では継続を支持した。三次市長選は新人で元市議の福岡誠志さん(43)=自民推薦=が現職の増田和俊さん(72)との激戦を制した。尾道市長選は現職の平谷祐宏さん(66)=自民、公明推薦=が3新人を寄せ付けなかった。周南市長選は新人で元山口県議の藤井律子さん(65)が現職の木村健一郎さん(66)を破った。当選を決めた3人は、新たな「令和」時代の市政のかじ取り役を担う。

 ▽福岡さん、現職3選阻む 三次

 8年ぶりの選挙戦となった三次市長選は、新人の福岡誠志さんが、3選を目指した現職の増田和俊さんを激しい競り合いの末に破って初当選を果たした。「市民に寄り添った三次に変える」。選挙戦で繰り返した市政刷新の訴えが幅広い支持を得た。

 同市十日市中の事務所に当選確実の知らせが入ると、集まった支持者から拍手と歓声が湧いた。福岡さんは「皆さんが力を貸してくれたおかげです」と喜びの声を上げ、「必ず期待に応える」と決意を述べた。

 福岡さんは「市民不在の市政に危機感を抱いた」と昨年10月に市議を辞職して臨んだ。現市政の情報公開が不十分とし「市民の声は政治の大きな判断材料だ」と主張。公共施設が多く、今後、多額の維持管理費がかかることも批判し「10、20年先を見通した経営感覚のある市政運営をしていく」と世代交代の必要性を強調した。

 選挙戦では現職陣営の組織力に対抗し、街頭演説や個人演説会に力点を置いた運動を展開。無党派層をはじめ、これまでの市政運営に停滞感を感じていた有権者の共感を得た。自民党の推薦を得て、市議の一部からも支援を受けた。

 ▽藤井さん、女性で初 周南、自民系対決制す

 周南市長選は、新人の藤井律子さんが、3選を目指した現職の木村健一郎さんとの激戦を制し初当選を果たした。「市政を市民の手に取り戻す」と転換を訴え、市初の女性市長の誕生を実現した。

 当選確実の知らせに同市秋月の事務所に集まった支持者は沸き返った。藤井さんは「市民のためにスピード感をもって働く」と述べ満面の笑みを見せた。

 選挙戦では現市政を厳しく批判した。元市幹部が逮捕された官製談合事件で「市政の信頼は失われた」と主張。市の愛称「しゅうニャン市」を使って全国にPRする事業は「市名をからかうのはやめてほしいという声が届かないのが問題だ」と廃止を公約した。

 「女性の目線」も強調。医療や福祉の充実、中山間地域の振興を掲げ「弱い立場の人に光を当てる」と繰り返した。JR徳山駅ビルや市役所本庁舎の建設など2期の実績で「街の動きをさらに加速させる」と訴えた同じ自民党員の木村さんを退けた。

 県議選の4回連続トップ当選を支えた組織が周辺部の支持を固めた。前市長の支援も得て、中心部の票を上積みした。

 ▽平谷さん、経験訴え笑顔 尾道、新人3人を突き放す

 44年ぶりに4人による選挙戦となった尾道市長選は、現職の平谷祐宏さんが、元広島県部長の後藤昇さん(65)と交流スペース経営の村上博郁さん(44)、元市議の大崎延次さん(60)の3新人を突き放して4選を決めた。昨年7月の西日本豪雨からの復興や新たなまちづくりに向け、再び市政を託された。

 同市高須町の事務所に当選確実の一報が入ると、支持者から大きな拍手が湧いた。平谷さんは「皆さんのおかげで勝利できた」と頭を下げ、「これまでの尾道を超えるまちづくりに取り組んでいく」と誓った。

 西日本豪雨では、市内で3人が犠牲になり、ほぼ全域が断水した。平谷さんは「これまでの経験や人脈を復興に生かす。災害の現場を歩いた私の使命」として1月に立候補を表明した。

 選挙戦では、3期12年の平谷市政の評価が最大の争点となった。新人3人が市民目線の政治への転換を訴える中、平谷さんは将来を見通すリーダーの重要性を強調。安心、成長、誇り、子どもたちの未来の可能性を助けるまちづくりの四つをテーマに掲げ、JR尾道駅前や瀬戸田町などの港を起点としたにぎわいづくりや企業誘致も主張した。