佐世保市長選 朝長氏が圧勝

4選を確実にし、万歳で喜ぶ朝長則男氏(中央)=21日午後8時17分、佐世保市下京町の選挙事務所

 市政の継続を訴える現職と、漁業振興による人口減少克服を打ち出す新人の一騎打ちとなった佐世保市長選は、強固な支持基盤を持つ朝長則男氏が、圧倒的な得票で4期目の信任を得た。
 朝長氏は、2007年の市長選に初挑戦することを表明した会見で、4選出馬が濃厚とみられていた当時現職の多選を問題視した。こうした経緯から、地元の政財界などに慎重に意見を聞いて回り、昨年10月末に出馬を表明した。
 選挙戦では、観光振興や企業誘致などの実績を強調。クルーズ船受け入れやカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備を含む八つの重要施策「リーディングプロジェクト」を継続し、「雇用の多様化」を図るほか、福祉や子育て支援の充実を訴えた。
 陣営は前回に続いて無投票となることも想定。個人演説会は開かず、市内全域を巡り、一人一人に顔を見せて支持を呼び掛ける戦略で確実に票を固めた。
 田中隆治氏は市の人口減少対策が不十分として、告示直前に出馬を決断。後援会などの組織は持たず、家族とともに市内を回り、漁業振興に伴う経済の活性化を訴えたが、及ばなかった。

◎朝長 則男 70 (無所属・現)
 市長、全国市長会全国基地協議会長、九州市長会副会長、旧軍港都市振興協議会副会長 元 県議会副議長、佐世保市議▽青山学院大経済学部卒(4)

◎朝長則男氏の話
 市内をくまなく回り、各地域で頑張っている多くの市民と出会った。その思いに応えるため、4期目を全うする。人口減少や地域の疲弊を抑えるため、これからが非常に大事な時期。選挙で訴えたリーディングプロジェクトなどにしっかり取り組み、形にしたい。

◎佐世保市長選(選管最終)

当 78,313朝長則男(ともながのりお) 70 無現
  21,877田中隆治(たなかたかはる) 75 無新

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