【バレーボール】サーブで崩され力負け。後半戦の挽回を誓う/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第6戦 vs筑波大

ピンチサーバーとして出場した片波見

春季リーグ戦も折り返しを迎える第6戦。5連敗の敗戦ムードを断ち切りたい慶大だが、序盤はミスを連ねて流れに乗れず、第1セットを14-25の大差で落としてしまう。第2、3セットはいずれも均衡した戦いを見せるが、セット終盤にスパートをかける相手に食らいつくことができなかった。慶大はストレートでこの試合を落とし、いまだ勝ちなしのままリーグ後半戦へ臨むこととなった。

2019年4月21日(日)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第6戦 慶大×筑波大

@順天堂大学さくらキャンパス

慶大	セット	筑波大
14	1	25
20	2	25
21	3	25
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
WS	23	小出捺暉(環2・駿台学園)
MB	9	降小雨(商1・慶應)
OP	21	富澤太凱(経4・慶應)
WS	2	マルキナシム(総4・川越東)
MB	12	清水柊吾(総3・広島城北)
S	1	吉田祝太郎(政3・慶應)
Li	7	永田将吾(総2・高松)
17	加藤真(商3・慶應)
途中出場	5	宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)
6	片波見和輝(文4・成田)
26	谷舜介(環2・徳島城東)

途中出場したWS宮川

今季立ち上がりに苦しむ慶大は、この日も序盤からミスが続く。攻撃の要である富澤太凱(経4・慶應)のスパイクが相手ブロックに阻まれると、相手に連続ブレイクを許し、中盤のスコアを7-16まで広げられる。途中、ピンチサーバーとして出場した片波見和輝(文4・成田)が得点に繋げ、一時流れをつかむことに成功するが、その後の展開にまでこぎつけることはできなかった。終盤は相手の強烈なサーブに屈し、このセットを14-25の大差で落とした。

片波見のサーブ時にブレイクを奪った

切り替えて臨んだ第2セット。慶大は宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)のスパイクから3連続得点を奪い、好調なスタートを切る。第1セットで崩れたサーブレシーブが安定し出すと、その後は熾烈なシーソーゲームを展開。中盤には宮川がサービスエースを決めるなど4連続得点に成功し、筑波大に食らいついていく。同点で迎えた終盤、相手の攻守が冴え始め、慶大はなかなかサイドアウトを取ることができない。勢いそのままに得点を重ねる相手に流れを奪われ、スコア20-25で均衡したこのセットを取りきることはできなかった。

ピンチサーバー谷(26番)を笑顔で迎える

あとのない第3セット。追いつきたい慶大と逃げきりたい筑波大、序盤から両者一進一退の攻防が続く。富澤や小出捺暉(環2・駿台学園)らがスパイクを決めてかかるも、相手もしぶとくラリーを繋いでくる。相手のサーブミスにも救われ、試合はまたしても同点で終盤に突入。しかし、「最後永田(永田将吾=総2・高松)と自分のところのサーブレシーブでやられてしまいました」(宮川)と振り返るよう、ここで相手の強烈なサーブが慶大のレシーブを打ち崩す。痛恨の5連続失点を喫すると、慶大はここで力尽きた。21-25で第3セットを落とし、相手に一矢報いることは叶わなかった。

終始相手のサーブに苦しめられた今回の試合。レシーブが崩れ大差をつけられた第1セットに対し、第2、3セットはレシーブに安定感が生まれ、中盤までは均衡した展開となった。だがやはり、サーブレシーブは安定した状態まで持って行けず、相手のブロック&レシーブにも苦しんだ慶大。チーム全体でのスパイク決定率も30%台前半にまで落ち込んでしまった。富澤副将も「相手の強さに押されてしまった」と振り返るなど、筑波大との実力差をチーム力で覆すことはかなわなかった。

慶大の再起に期待したい

リーグ戦前半6試合が終了した。慶大は、いまだに勝ち星を挙げられていない。この6戦を振り返ってみると、自分たちの力を発揮できているとは言い難い。それどころか、選手たちそれぞれの苛立ちと焦燥が感じられてしまうほど、チームの状況は悪いと言っていいだろう。慶大は、勝利から遠のくにつれて「勝ち方」を忘れ、明確なビジョンが見えなくなってしまっているのではないだろうか。このままではこの暗闇を一人一人がバラバラに、闇雲に走り続けることになってしまう。何が自分たちに足りないのか、どこをどう改善していけばいいのか、この状況で自分がなすべきことは何なのか。チーム全員がもう一度しっかり考え、言語化し、共有することが必要だ。そして、この暗闇の中から自分たちの目指すべき「光」を見つけ出してほしい。慶大のチーム力が、いま試されている。

(記事:堀口綾乃・藤澤薫 写真:川下侑美・藤澤薫)

以下、コメント

宗雲健司監督

――今日の試合を振り返って

筑波大学さんが強かった、それにつきます。

――第1セットは10点以上差をつけられる結果となりましたが

客観的に見て、筑波大のサーブが練習試合のときよりも速かったです。それで面食らってあたふたしていたのだと思います。気持ちの整理も付かないまま次のサーブの笛が鳴るので、それで全てが悪循環に陥ってしまいました。

――第2セットは中盤まで均衡した戦いとなりました

サーブレシーブを立て直すということが課題でした。それが何とかよろめきながらも立ち直ったので、中盤までは何となくゲームになって、すごいプレッシャーを受けながらもゲームをこなしている状態だったのかな。

――第3セット、終盤に相手の強烈なサーブで引き離されました

強いジャンプサーブが連続で入るとああいうことにもなるので、それはもう筑波大学さんの攻めたサーバーさんを褒めるしかないです。3セット目の途中では彼(小澤宙輝=筑波大4年)がなかなかジャンプサーブの入らないときもあったけど、でも終始勇気を持ってジャンプサーズを打てた筑波大学さんの方に勝者の資格があったのだと思います。

――宮川郁真選手の活躍について

もっと良いものを持っているんですけど、残念ながら1部の試合での経験値が低いので失敗をすると顔にパッと出てしまって、本来の自分の力が出なくなってしまう部分もあります。これも昨日の1セット目も彼の良い経験になると思います。みんなそういうことを経験しているので、それを中学で経験しているのか、高校で経験しているのか、彼の場合はそれを大学で経験しているだけで、彼が上級生になったら頼もしい上級生になると思います。

――リーグも折り返しとなりましたが、今後の課題について

去年まで強いサーブを打っていたのはディフェンスが弱かったから、一か八かのサーブに出るしかないからでした。「サーブ&ブロック」という風に暗示にかけて、それが上手く回ったときにだけ勝てていたんです。でも、今はブロックもディフェンスもそこそこ良くなっているので、あまり一か八かのサーブで勝負しなくてもいいんじゃないか、ということ。あとは、自分たちのディフェンスを信じて、その守り方を一枚ブロッカーのときはこうする、二枚ブロッカーのときはこうする、ということをきちんと詰めればあと2、3点は違うと思います。2、3点違うと22、23点まで競り合ったり自分たちがリードできたりするので、そうすると慶大に足元すくわれたくないチームばかりなので、優位に立てると思います。

富澤太凱副将(経4・慶應)

――今日の試合を振り返って

結果的に6連敗という形になってしまったのですが、相手も強さがあるチームだったので、そこに一致団結して向かっていくところで、相手の強さに押されてしまった試合だったと思います。

――ご自身のプレーについて

(スパイク面は)特にリーグ期間では毎日まだまだだと痛感するのですが、チームを背負っていく中で、そこで絶対に気持ちを折らずに、決めるという意識が強いです。(ブロックは)点取り屋のポジションとして、すべての得点に絡むプレイヤーになりたいと思っているので、ブロックも欠かさないようにしたいです。

――コート唯一の4年生になる場面もありましたが

後輩にも頼るとこは頼りつつ、自分も後輩のケツを叩けるようなそういう選手になりたいと思います。

――後半戦に向けて

やはりチームでまとまる必要があると感じています。そのために僕ができることを最大限毎日取り組んでいきたいと思います。

片波見和輝(文4・成田)

――今日の試合を振り返って

序盤から、チームの調子や雰囲気があまり良くありませんでした。中盤以降は持ち直しましたが、やはり終盤に相手と競ったときに離されてしまい、悔しい試合でした。

――ご自身はピンチサーバーとして出場され、安定したサーブを披露しました

自分としてはこの4年間サーブを武器にやってきたので、ピンチサーバーとして起用していただけてうれしかったです。「もっと攻めることができたのではないか」という後悔はありますが、チームの雰囲気を少しでも良くすることに貢献できたのであれば、よかったと思います。

――試合中は他の選手に声を掛ける姿も見受けられましたが

最初はチームの雰囲気があまり良くなかったので、「自分にできるのはチームを盛り上げることだ」と思って積極的にコート内外で声を掛けていました。

――ご自身から見た現在のチーム状況は

まだ勝てていないので、チームとしては少し調子が落ちてきてしまっているのかなとは思います。ですが、ここ数年で一番実力のあるチームだと思っているので、1勝さえできれば変わっていくのではと思います。来週の試合で勝てるようにしっかり準備をしていきたいです。

――今日は高校の後輩たちが試合を観に来ていました

あまり意識しないようにしていたのですが、やはりとても緊張しました。ですが彼らの応援のおかげで、サーブを打つときに力を出せたと思います。

――今日でリーグ戦も折り返しとなりますが、後半戦に向けて意気込みを

チームとしては雰囲気があまり良くないのですが、ここから1週間は精神面でも技術面でもしっかりと準備をして、5連勝できるように頑張りたいと思います。

宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

――今日の試合を振り返って

2、3セット目、20点まではシーソーゲームが結構できていて、そこらへんで手応えはあったんですけど、最後永田と自分のところのサーブレシーブでやられてしまいました。それが今後の伸び白かなと思います。

――昨日に続いての出場となりました

昨日は初めてスタメンで出してもらったんですけど、「やってやろう」という気持ちが上手くはたらかなくて、緊張してしまってなかなか自分のプレーができませんでした。今日は結果的に途中出場という形だったんですけど、徐々に試合に入れたというか、3セット目くらいからようやく自分のプレーができたので、そこは一つの収穫かなとは思います。

――今日の慶大のブロック、つなぎの面を振り返って

そこがやっぱり筑波さんとの違いかなと思っています。筑波さんは、自分たちが思いきり打ったボールでもワンタッチどっか引っ掛けて、それでレシーブもなんとか引っ掛けてっていう感じなんですけど、やっぱり自分たちはそこがないから、最後競り負けてラリー落としてしまう。そういうところかなと思います。

――今日でリーグ折り返しとなりました

前半戦上位と呼ばれるチームと当たってきて、なかなか勝ちがなくて、どんどん雰囲気も落ちてしまうっていうゲームが多くて。そういったところは結構気持ちでどうにかなる部分が大きいと思います。自分たちが乗ったセットは取れていたり、結構良いシーソーゲームができていたりすると思うので、しっかり自分たちがそういうところに持っていければ、後半戦も、戦えるかなと思っています。

大学	勝利数	セット率
1位	早大	6	9.0000
2位	東海大	6	4.5000
3位	筑波大	5	2.5000
4位	明大	5	2.1250
5位	中大	5	1.8750
6位	日体大	4	1.7778
7位	専大	2	0.5000
8位	順大	1	0.4667
9位	学芸大	1	0.3529
10位	駒大	1	0.2941
11位	日大	0	0.5000
12位	慶大	0	0.1667

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

なお、下位2チームは1・2部入替戦に回る。

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