旭化成ホームズ、賃貸住宅とサ高住でシニア事業を拡大

 

10月オープン予定のサービス付き高齢者向け住宅「Village(ヴィラージュ)リーシュ上石神井」

 旭化成ホームズ(東京都千代田区)は、シニア事業を拡大している。シニア向け自立支援賃貸住宅「へーベル Village(ヴィレッジ)」を中心とした、同社のシニア事業の2018年度売上高は100億円。新規事業として、介護が必要なシニア向けに、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「Village(ヴィラージュ)リーシュ」の運営管理を目的とした新会社リーシュライフケア(東京都千代田区)を4月1日に設立。これにより、旭化成ホームズは賃貸住宅「へーベル Village」と新事業であるサ高住「Village(ヴィラージュ)リーシュ」の両輪でシニア事業の拡大をめざす。
 
 「へーベル Village」は、2025年には単年100棟(1200戸)施工、累計500棟6000戸を事業目標にする。「Village(ヴィラージュ)リーシュ」は、2019年の新事業として開始し、2025年までに15施設運営をめざす。

 サ高住「Village(ヴィラージュ)リーシュ」の第1号は、2019年10月に東京都上石神井にオープンする予定。「Village(ヴィラージュ)リーシュ上石神井」の延べ床面積は725坪。1施設53戸で重量鉄骨3階建て。看護小規模多機能型居宅介護事務所を併設する。旭化成ホームズが所有し、運営管理主体はリーシュライフケア、実際のケア委託先は在宅介護サービス会社やさしい手になる。建物内にスタッフを常駐し、手厚い介護サービスを提供できる体制を整えた要介護向け施設とする。

 賃貸の標準プラン価格帯は月額25.4万円で周辺のサ高住より2万~3万円高め。「Village(ヴィラージュ)リーシュ」の商圏エリアはヘーベルハウスストック数6万棟の東京都がメインとなる。「Village(ヴィラージュ)リーシュ」の入居者は、半径3km以内に住むヘーベルハウスの所有者と「へーベル Village」の入居者等で10%を見込み、残りを一般戸建て住宅所有者や賃貸住宅入居者をターゲットとした住み替え提案で、シニア事業の拡大を図る。

 「へーベル Village」は、住宅とサ高住や介護施設の間にある、シニアの自立を支援する住まいを想定。標準プランの価格帯は通常の賃貸住宅家賃の15~20%割高に設定している。2018年度には27棟、累計96棟1267戸の実績があり、2019年度は46棟(600戸)をめざす。商圏エリアは、東京都や神奈川県、埼玉県で、入居者の平均年齢は77歳。自立しているシニアは全体の78%。持ち家からの住み替えが74%。子世帯が近くに呼び寄せたケースが49%を占める。

 今後、旭化成ホームズは、賃貸住宅とサ高住を核に、超高齢社会に対応したサービス提供を強化し、戸建て住宅の流動化とともに地域の活性化をめざす。

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