歌声届ける子供たち 広げる国際交流の環 風の環少年少女合唱団

風の環少年少女合唱団は毎年開催の、風の環コンサート、TOGETHER FOR 3.11東日本大震災追悼式典などで歌っている

ニューヨーク、ニュージャージー両州近郊の小中高生で構成される「風の環(わ)少年少女合唱団」。アメリカで暮らす日系の子供たちに伝統的な日本の歌を歌って受け継いでほしいとの思いで、NPO法人9・11 風の環メモリアルコンサート代表の白田正樹さんと、地元日本語新聞「週刊NY生活」を発行するニューヨーク生活プレス社との共同企画で2016年に結成した。

白田正樹さん 子供たちは著しい成長ぶりを見せてくれています。結成当初は合唱にもなっていない状態でしたが、今では3部合唱までできるようになりました。あれこれ口を出さず子供たちを見守り、接し続けた、吉住奈緒子さんの素晴らしい指導のおかげです。今後はスペイン交流に限らず、キューバやアカプルコなど他の国との交流活動も積極的に行っていく予定です。奮ってご参加ください。

ミッドタウンのスタジオに集合した子供たちは、指導にあたる吉住奈緒子さんの下、発声練習からスタート。「前のスクリーンの上辺りに声を飛ばしてみよう」と吉住さんの指導は分かりやすい。「手はしっかり体の横に置くクセを付けておいてください」と姿勢にも注意を払う。

発声練習の後は、スペイン語の曲「Oye」の合唱練習に入った。「エスタ・ソーロー・ヨランド〜」とみんなで歌詞を読み合わせた後、ピアノ伴奏に合わせて歌う。続いて同じくスペイン語の曲「El Vito」のパート別の練習に入ると、美しいハーモニーが重なり合い、スタジオに響き渡った。

「さくらさくら」「ありがとうの花」に続き、「君が代」の合唱に入ると白田さんが、「君が代は日本の厳粛な歌なので、流れるようにゆっくりと歌ってください」と直々に指導に当たり、子供たちは大きくうなずいていた。

吉住奈緒子さんの指導の下、団員の声が一つの環になって響き渡る
現在4〜16歳くらいの子供約80人が在籍

また同合唱団は、3月29日から10日間、18人の団員と保護者を「ハポン・ハセクラ使節団」としてスペインに派遣し、音楽とスポーツで国際交流活動を行った。この日には、出陣式が行われ、現地で歌う「翼をください」の披露や我謝京子監督による映画「ハポンさん」の鑑賞に続き、白田さんが武将のよろい姿で登場してあいさつ、会場を沸かせた。

育英サタデースクールのポートワシントン校3年の岩崎巧光(たくみ)さんは、「昨年友達と一緒に入団したら面白くて、練習を続けていたら声がきれいになったと言われるようになりました」と話す。同マンハッタン校中学1年のルフラーこころさんは、「合唱部に入っていますが、もっと上手に歌えるようになりたくて入団しました。すごくうまくなったと両親に褒められるのでうれしい」と笑顔だ。

ニューヨーク補習授業校ロングアイランド校4年のエルス・リリーさんは、「2月にお母さんがスペインに連れて行ってくれて、そこで昨年9月に私のおうちにホームステイしたスペインの合唱団のお姉さんと再会できてうれしかったです」と、合唱団を通じての出会いを話してくれた。

今回スペインに派遣される、ブルックリン日本語学園1年生の関口彩花さんは、「海外に行くのは初めてなのでワクワクしています。スペインで歌う曲を毎日家で練習しています」と心待ちにしていた。

子供たちは練習を重ねて絆を深め、世界に羽ばたく合唱団へ成長している。

Circle Wind Boys & Girls Choir

日本語の曲が歌える小学生、中学生、高校生なら誰でも参加できる。団員を募集中で随時見学を受け付けている。

【問い合わせ】
kazenowabgchoir911@gmail.com

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