柞原八幡宮、15年かけ修理へ 部材一つ一つを調査し復元【大分県】

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本殿の前で「できる限り古材を活用し、見栄えよく再生できれば」と語る柞原八幡宮の安東富士雄宮司=大分市

 大分市八幡の柞原八幡宮は、国指定重要文化財の本殿や申(もうし)殿など12棟を対象に、大規模な保存修理事業を進めている。15年がかりで建物を解体して部材一つ一つを調査し、補修・復元する。近く着工の予定で、安東富士雄宮司(69)は「1200年の歴史を未来につないでいきたい」と話している。

 827年創建。宇佐神宮の分霊を祭り、大友氏をはじめ歴代府内藩主に崇敬されてきた。本殿は切り妻屋根が前後に並ぶ珍しい八幡造。宇佐神宮にならい、楼門や申殿は直線的に配置されている。

 現存する建物は1749年の火災後に順次再建したもので、老朽化が深刻だった。後世に残すため、2007年に文化財調査委員会を発足し、国重文指定への協力を県と市に要請。11年に10棟が指定を受け、保存修理へと動きだした。

 工事は第1期が25年12月まで、総事業費は約9億円の見込み。国が75%、県と市が8%ずつを補助。同八幡宮が9%を支出する。修理するのは▽本殿▽東宝殿▽西宝殿▽宝蔵▽八王子社の5棟。第2期は▽申殿▽拝殿▽楼門▽東回廊▽西回廊▽西門▽南大門の7棟で、全て完成するのは35年の予定。

 設計監理を担当する文化財建造物保存技術協会(東京都)の比嘉健事務所長(47)によると「解体と同時に部材一つ一つを調査し、材種や加工、仕様、破損状態、痕跡を明らかにする」。文化庁、同八幡宮とも協議し、屋根のふき替えや塗装のし直しなど適切な復元方法を決めるという。

 工期中の拝観は可能。修理現場の特別公開も予定している。安東宮司は「修理の過程で初めて明らかになることもあるだろう。貴重な機会を地元の子どもたちに体験してもらいたい」と期待を込めた。

<メモ> 文化財建造物保存技術協会は復元の資料として、昭和40年頃までの写真の提供を呼び掛けている。問い合わせは柞原八幡宮(TEL097.534.0065)。