大分サヨナラ4強 九州高校野球【大分県】

©有限会社大分合同新聞社

【福岡大大濠―大分】9回裏大分1死三塁、田中がサヨナラの右前打を放つ=鴨池公園球場
【明豊―西日本短大付】5回裏2死後に四球を許し、マウンドで監督の伝令を聞く明豊ナイン=鴨池公園球場
【大分工―熊本西】8回表、適時三塁打を放ち塁上でガッツポーズする大分工の今宮主将=平和リース球場

 第144回九州地区高校野球大会第3日は22日、鹿児島市の鴨池公園球場などで準々決勝4試合があった。県勢は出場全3校が臨み、大分が同球場の第2試合で福岡大大濠を11―10で下し、昨秋に続いて4強入りを果たした。

 同球場の第1試合の明豊が西日本短大付と対戦したが、持ち味を発揮できずに0―7で敗れた。平和リース球場第1試合の大分工は21世紀枠でセンバツに出場した熊本西(推薦)と対戦。よく粘ったが1―2で惜敗した。

 同球場第2試合は興南(沖縄)が6―1で昨秋王者の筑陽学園(福岡)に雪辱を果たした。

 23日は休養日で、第4日は24日、平和リース球場で準決勝2試合がある。第1試合で熊本西と西日本短大付が、第2試合で大分と興南が決勝進出を懸けて対戦する。

〇大分、壮絶な乱打戦 田中がケリ

 大分が劇的なサヨナラ勝ちで2季連続の4強入りを決めた。九回、両チーム合わせて29安打という壮絶な乱打戦に終止符を打った田中颯悟(2年)は「何とか前に飛ばすことだけを考えていた」と興奮気味に殊勲の一打を振り返った。

 序盤から激しく打ち合い、七回を終わって7―7。だが終盤八回、この試合4本目となる本塁打で3点を勝ち越された。万事休すかと思われたが、大分ナインは誰も諦めてなかった。

 直後の攻撃で4番の中尾拓士(3年)が「前の打席で感覚をつかんでいた」と2打席連続となる右越え2点本塁打で1点差に迫った。九回の守りも無失点でしのぎ、裏の攻撃へ。

 1死から小野修太郎(同)が「とにかくつなぐだけ」と無心で変化球を左前に運んで出塁。続く江川侑斗(同)が「狙っていた」という直球を捉え、右越え適時三塁打で同点に追いついた。

 一打サヨナラの場面で田中が打席に入った。ここまで無安打。だが「流れが来ていたし、開き直っていた」と、直球を右前に運び、三走江川を迎え入れた。

 勝利を決めた田中は「点を取られても取り返すことができたことは自信になる。頂点を目指して次も頑張りたい」と表情を引き締めた。

 ▽準々決勝

福岡大大濠 210021130 |10

大分    300003122x|11

▽本塁打 星子、深浦、溝田(福)中尾2(大)

 【評】大分が福岡大大濠との激しい打ち合いを制して4強入りした。

 大分は1点を追う九回、1死から小野が左前打で出塁し、江川の右越え適時三塁打で試合を振り出しに戻すことに成功した。さらに続く田中が右前にはじき返して、勝負を決めた。

 御手洗、飯倉、武藤、石丸の投手陣は苦戦を強いられたが、打線がカバーした。

〇大分工、終盤意地見せる

 「流れの中でうまく得点ができなかった。それでも選手はよく頑張った」。4強には惜しくも届かなかったが、大分工の山本一孝監督は選手の粘りをたたえた。

 好機を築きながらも本塁が遠い展開が続いていた。だが終盤、大分工ナインは意地を見せた。

 八回、2死一塁から今宮悠斗主将(3年)が右中間への適時三塁打を放って1点を返した。続く九回も死球と犠打で1死二塁とした。一打同点の場面。初戦で先制打を放った園田誠(同)が打席に入り、2球目を勝負強く左前に運んだ。二走は一気に本塁を狙った。だが相手の内外野の連係もよく、惜しくも生還はならず、あと1点に泣いた。

 接戦の終盤勝負に持ち込み、七回以降は毎回、得点圏に走者を進めた。狙い通りの展開だっただけに悔しかった。今宮主将は「勝ちきれなかった」と振り返る一方、夏に向けて「(好機で)あと1本が出るよう、練習に励みたい」と話した。

 ▽準々決勝

大分工 000000010|1

熊本西 01000100x|2

 【評】大分工は好機であと1本が出ず、熊本西に惜敗した。

 2点を追う大分工は八回、2死一塁から今宮の右中間への三塁打で1点差に詰め寄った。なおも連続四球で満塁としたが、惜しくも後続が倒れた。九回も1死二塁の好機を築いたが、相手堅守に得点を阻まれた。日高は走者を出しながらも要所を抑える好投だった。

〇明豊、自慢の打線が沈黙

 明豊は攻守で持ち味を発揮することができず、西日本短大付に大敗した。被安打はわずか6。四球からピンチを広げたことが痛く、夏に向けた課題が顔をのぞかせた。

 1点をリードされていた五回の守りが象徴していた。2死走者無しから寺迫涼生(3年)が四球を与えた。自慢の打線は相手先発を攻略できていなかったこともあり、川崎絢平監督は「もう1点もやれない」とあえて伝令を送った。だが嫌な予感は的中した。

 寺迫も「際どいコースを突いた」。だが連続四球で一、二塁に。直後に長打を浴びて手痛い失点を喫し、救援の若杉晟汰(2年)も代わりばなを痛打され、流れは一気に相手に傾いた。

 さらなる飛躍を目指し、センバツからメンバーを大きく入れ替えて臨んだ大会だった。表悠斗主将(3年)は「(出場)メンバーが違うのはただの言い訳。拙攻や守りの反省点をしっかり持ち帰る」と先を見据えた。

 ▽準々決勝

明    豊

0000000 |0

0010321x|7

西日本短大付(福岡)

(7回規定によりコールドゲーム)

▽本塁打 吉永(西)

 【評】明豊は持ち味の強力打線がうまくつながらず、西日本短大付に完敗した。

 明豊は三回に狭間、六回に表が先頭打者二塁打を放つなど、幾度となく好機を築いた。相手を上回る7安打を放ったが、1点が遠かった。投げては狭間、寺迫、若杉、大畑でつないだ。甘い球は少なかったが、制球に苦しむ場面が目立った。