最多勝

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 スポーツ、文化、ドラマやCM。どんなジャンルでも本県出身者の活躍は地元の私たちに元気をくれる。2018年度の将棋界では対馬市出身の棋士、佐々木大地五段が46勝を挙げ、年間最多勝に輝いた。この春プロ4年目を迎えた23歳▲対局数が全棋士中2位、勝率も4位。ランキング表で肩を並べているのはタイトル保持者をはじめとするトップ棋士ばかり。〈勝ちまくっている〉-そんな形容がぴったりの一年だった▲少し前の専門誌には、絶望的な局面から逆転勝ちを収めた〈驚異的な粘り〉の一局が紹介されていた。盤上の複雑な変化を瞬時に読み切るプロが見て「驚異的」なのだから、さぞ驚きの手順で生還を果たしたのだろう▲〈…いつの間にか生き返る。しっかりトドメを刺しておかなければダイチ君は生き返る〉は同年代の棋士たちの佐々木評。もちろん最大級の褒め言葉だ▲「平成最後の最多勝ですね」とメールを送ると、その日のうちに丁寧な返信をもらった。「大一番で勝てず、順位戦や竜王戦で昇級できなかったことは悔いが残ります」。率直な反省の弁にも、強さの一端を見る思い▲5月には「叡王(えいおう)戦」第3局の解説役で長崎に戻る。遠くない未来、対局者として大舞台に臨む自身の姿を重ねて…そんな「令和」の初仕事になるはずだ。(智)