統一地方選 政党責任者が総括

 長崎県内の統一地方選は前半の県議選に続き、後半の2市長選、3市議選、2町長選、3町議選が21日に投開票され幕を閉じた。県議選、2市長選で投票率が戦後最低を更新する中、何が勝敗を分けたのか。今後の展望などについて県内の政党責任者に聞いた。

◎自民 県連幹事長・中島廣義氏 保守票を奪い合う形に
 県議選では公認候補35人の当選を目指したが、現職・新人計7人を落選させてしまった。野党が候補を絞ってくる中、前回より6人多く擁立したことで保守票を奪い合う形となった。執行部として責任を感じている。投票率の低迷は議員活動が足りていないことに起因すると考える。政治への関心を高めるためにも地域住民と接する機会を増やし、有権者の声に真摯(しんし)に耳を傾ける必要がある。

◎立民 県連幹事長・松永隆志氏 大きな足掛かりできた
 十分な体制が整わない中ではあったが、大きな足掛かりをつくることができた。県議と長崎、佐世保、大村各市議選で5人を擁立し3人が当選。この結果を手放しで喜ぶことはできないが、党県連設立以来初めての選挙で議席を獲得し、党に対する県民の期待も一定感じることができた。組織や人材の充実、女性候補の擁立と課題はあるが、時間をかけて着実に歩みを進めていきたい。

◎国民 県連幹事長・渡辺敏勝氏 参院選へ勢いづく完勝
 今夏の参院選に向け、一つのステップになる完勝だった。県議5、長崎市議5、佐世保市議4、長与町議2、時津町議1の公認候補計17人が、無投票を含め全員当選し、ほっとしている。応援してくれた組織や支援者の力を結集できたおかげだ。夏に向けて勢いを付けることもできた。参院選では連合を中心に働く人たちの声を結集し、他の野党と一緒になって戦っていきたい。

◎公明 県本部幹事長・川崎祥司氏 連立維持へ連携強化を
 県議、市町議を合わせた公認候補18人全員が当選し、議席を死守することができた。まずもって支持者に感謝したい。現職と入れ替わりで新人3人が初当選を果たし、一定の世代交代も進んだ。この勢いのまま参院選に臨みたい。自公連立政権を維持するため、何としても議席を確保し勝利する。そのためにも自民との選挙協力を存分に発揮できるように連携を強化しなければならない。

◎共産 県委員長・山下満昭氏 1票の大切さ示したい
 県議1、市町議8人が当選。改選議席を確保するという目標を達成できた。消費増税反対の訴えなど、市民の方々に受け入れられた結果だと評価している。
 県議選の佐世保市区と川棚町議選で新人を擁立したが、党として力が及ばなかった。石木ダムやカジノを含む統合型リゾート施設(IR)への反対票を取り込めなかった。低投票率は政治への不信感が要因。1票の大切さを示していきたい。

◎社民 県連幹事長・坂本浩氏 1減を厳しく受け止め
 国民生活を破壊する安倍政権へ地方から異議を唱え、流れに歯止めをかける心持ちで臨んだ。県議選で現有2議席を確保したが、市議選では、公認候補5人のうち1人が落選した。厳しく受け止めざるを得ない。5月の島原市議選では推薦候補の議席を守り抜く。
 投票率の低迷は、われわれにも責任がある。選挙や政治の話題が日常生活にもっと溶け込んでいくような対策が必要だ。

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