2020年のダカールラリーは中東サウジアラビアで開催。大会概要は4月25日に発表

 ダカールラリーを主宰するA.S.O(アモリ・スポーツ・オーガニゼーション)は4月15日、公式ツイッター上で2020年大会は南米大陸ではなく、中東サウジアラビアで開催することをアナウンス。詳細を4月25日に発表すると明かした。

 2008年の世界的金融危機に端を発し、伝統のアフリカ大陸から南米大陸へと開催地を変更したダカールラリー。しかし、世界経済の影響もあり、2019年大会の構成については最終決定が遅れる事態に直面していた。

 当初はルートに組み込まれるとみられていたボリビアとチリの撤退決定が遅れに遅れた余波で、A.S.Oは急きょルートの再構築を迫られ、2019年大会は史上初のペルー1カ国で争われた。

 そして2020年の大会に向けて、A.S.Oは開催大陸の変更を決断。公式ツイッターに「アフリカ大陸で30年、南米大陸で11年。ダカールラリーは中東に移動し、チャプター3をスタートさせる」と投稿し、サウジアラビアで開催することをアナウンスした。

 この3月にダカールラリーの競技ディレクターを引き継いだデビッド・カステラは、新たに中東地域で展開されることになったイベントに向け「そのような記念碑的な地理条件のもとで、ダカールラリーにふさわしい大胆で挑戦的なルート設定を行えるのは、本当に光栄で楽しみなことだ」と期待を込めた。

「この国の気候や地理的条件からはありとあらゆるシチュエーションをセレクトすることができる。このスポーツにおけるナビゲーション技術、自分自身を超える挑戦、そしてラリーレイドとしての領域拡大に大きく貢献することになるだろう」

 国土のほとんどが砂漠地帯となるサウジアラビアは、この1.4万平方キロのアラビア砂漠をダカールラリーのために提供可能とされる。

ダカールラリーのコンペティターにとっては、この10年間慣れ親しんだ大陸を離れての新たな挑戦になる
プジョーやX-Raidでシリル・デプレやステファン・ペテランセルの相棒を務め、自身も2輪でダカールに挑んできたデビッド・カステラ
2019年大会で2度目の2輪部門勝利を飾ったオーストラリア人のトビー・プライス

 同国のモータースポーツ連盟会長を務めるカリッド・ビン・スルタン・アブドゥラ・アル・ファイサル王子は、ダカールラリー招致成功を喜ぶとともに次のように付け加えた。

「我々はかねてより、いつかはダカールに参加したいと夢見てきた。その偉大な夢がついに現実のものとなるだけでなく、この中東地域に初のダカールラリーを招待する栄誉も授かった」

「ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下の崇高なビジョンとサポート、そして総合スポーツ局長のアブドゥル・アジズ・ビン-アルトゥルキ・アル・ファイサルからの信頼が、このような世界的規模のスポーツイベント開催権を獲得するカギになった」

「我々は、ルブアルハリ砂漠の雄大で神秘的なランドスケープを舞台としてシナリオを描き、参加者に新たな挑戦を提供することを約束する。この地形の多様性と、この国の自然環境は、コンペティターたちにユニークな経験をもたらすことになるだろう」

 2020年大会の概要は4月25日、サウジアラビアの首都リヤド近郊に築かれている国家主導の総合エンターテインメント地区“Al-Qiddiya(アル-キッディヤ)”で行われる概要発表会でアナウンスされる予定。このアル-キッディヤは、2018/19年シーズンのABBフォーミュラE選手権第1戦の舞台となった地区でもある。

 また、サウジアラビアは国策としてモータースポーツへの関与を強めており、FIAが主導する中東ラリー選手権(Middle East Rally Championship)の開催エリアとしてもシリーズにコミットしている。

トラック部門で3連覇中のカマズとエドゥアルド・ニコラエフにとっても未知の挑戦に
サウジアラビア総合スポーツ局長を務めるアブドゥル・アジズ・ビン-アルトゥルキ・アル・ファイサル
今週4月25日に、は同国で『ダカールラリー2020』の大会概要発表会が開催される

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