広島床田はリーグトップ3勝、阪神近本は打率.290…新人王候補の序盤戦【セ編】

広島・床田寛樹(左)と阪神・近本光司【写真:荒川祐史】

床田は防御率2.30、救援投手では阪神守屋が8試合連続で自責点0

 4週目の時点で2019年度新人王資格のある選手たちの、4月21日現在の1軍成績を見ていこう。

 新人王は、原則として海外のプロリーグ経験がなく、支配下に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍の登板イニング数が合計で30イニング以内、打者は、前年までの1軍の打席数が60打席以内の選手が対象だ。

 セ・リーグの新人王候補の成績を見る。まずは投手。投球イニング数順。

床田寛樹(広)
4登3勝1敗0セーブ0ホールド 27回1/3 防2.30

上茶谷大河(De)
3登0勝1敗0セーブ0ホールド 17回 防4.76

高橋優貴(巨)
2登1勝0敗0セーブ0ホールド 11回1/3 防1.59

守屋功輝(神)
8登0勝0敗0セーブ1ホールド 10回 防0.00

大貫晋一(De)
2登1勝0敗0セーブ0ホールド 7回1/3 防6.14

高橋奎二(ヤ)
2登0勝0敗0セーブ0ホールド 6回1/3 防12.79

笠井崇正(De)
4登0勝0敗0セーブ0ホールド 5回1/3 防1.69

矢崎拓也(広)
2登0勝0敗0セーブ0ホールド 5回 防3.60

島内颯太郎(広)
4登0勝0敗0セーブ0ホールド 4回2/3 防9.64

大江竜聖(巨)
4登0勝0敗0セーブ0ホールド 4回1/3 防4.15

浜地真澄(神)
1登0勝1敗0セーブ0ホールド 4回 防13.50

坂本工宜(巨)
2登0勝0敗0セーブ0ホールド 2回 防13.50

馬場皐輔(神)
1登0勝0敗0セーブ0ホールド 2回 防9.00

齋藤友貴哉(神)
1登0勝0敗0セーブ0ホールド 2回 防0.00

藤井皓哉(広)
1登0勝0敗0セーブ0ホールド 2回 防13.50

 広島の床田がハーラーダービートップタイの3勝。3月31日の今季初登板は黒星だったが、そこから3連勝。しかも3試合とも自責点1。ローテをしっかり守っている。巨人の高橋優は、デビュー戦で初勝利。2試合目は白星が付かなかったが、こちらも試合を作っている。

 救援投手では、阪神の守屋が8試合連続で自責点0。まだセーブやホールドの付くシチュエーションでは投げていないが、今後はセットアッパーとしての活躍が期待される。DeNAの笠井も4試合で5回1/3を自責点1と今後に期待を持たせる成績だ。

ヤクルト村上は低打率も5本塁打、中日加藤は5年目でブレーク

 続いて打者。安打数順。

近本光司(神)
20試69打20安3本7点2盗 率.290

村上宗隆(ヤ)
21試73打16安5本13点0盗 率.219

加藤匠馬(中)
14試39打12安0本3点0盗 率.308

木浪聖也(神)
16試42打7安1本6点0盗 率.167

渡辺勝(中)
11試8打1安0本1点1盗 率.125

塩見泰隆(ヤ)
13試16打1安0本0点1盗 率.063

宮本秀明(De)
1試0打0安0本0点0盗 率.000

若林晃弘(巨)
2試0打0安0本0点0盗 率.000

増田大輝(巨)
1試0打0安0本0点0盗 率.000

長坂拳弥(神)
1試0打0安0本0点0盗 率.000

坂倉将吾(広)
2試4打0安0本0点0盗 率.000

松本直樹(ヤ)
7試9打0安0本0点0盗 率.000

宮本丈(ヤ)
2試2打0安0本0点0盗 率.000

 阪神の近本は、木浪とともに開幕戦でスタメン起用。この時は結果が出なかったが、近本はここまでに本塁打も3本打ち、2盗塁。頭角を現した。木浪もプロ初本塁打を打った。

 ヤクルトの2年目・村上は5本塁打。打率は低いが長距離打者の片りんを見せている。同じヤクルトの塩見は、オープン戦では打率2位、盗塁王と大活躍だったが、今のところ結果は出ていない。

 中日の加藤は5年目、間もなく27歳だが、今季はスタメンマスクをかぶる試合が増えている。新人王というより正捕手への期待がかかる。

 まだ序盤であり、今後の展開は読めない。スタートダッシュに成功しても、経験不足から途中で中折れする新人も多い。そういう意味ではまだ1軍昇格していない新人にも、チャンスは大いにある。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2