見えるかな?「猫」のような岩のシルエットを含む「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」の画像が一挙公開

こちらの画像は、ESA(欧州宇宙機関)の彗星探査機「ロゼッタ」が2014年10月6日に撮影した「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」の一角です。画像右上の鋭いピークのような地形の向こうにある岩が、まるで空を見上げる猫の横顔のように見えます。

2004年3月に打ち上げられたロゼッタは、2014年8月から2016年9月までの2年間、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しながら観測を行いました。2014年11月には搭載していた着陸機「フィラエ」を分離、史上初となる彗星への探査機着陸を実施しています。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の観測中、ロゼッタは搭載していた高解像度の光学観測機器「OSIRIS」を用いて、およそ7万点に及ぶ画像を撮影しました。今回、ドイツのフレンスブルク大学とマックス・プランク太陽系研究所の手によって、OSIRISの画像を手軽に参照できるウェブサイト「OSIRIS Image Archive」(https://rosetta-osiris.eu/が公開されました。

OSIRIS Image Archiveはスマートフォンのブラウザからでも見やすいように作られており、2つの岩塊がくっついているように見えることから「アヒルのおもちゃ」にたとえられるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の全体像や、噴出するガスの様子、表面のクローズアップなど、OSIRISで撮影されたいろいろな画像をスムーズに閲覧することができます。

「はやぶさ2」が滞在している小惑星「リュウグウ」とはまた異なる、活動的な彗星の姿。「アヒル」「猫」に続く「○○に似た岩」が、まだまだ見つかるかもしれませんね。

Image credit: ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA (CC BY-SA 4.0)
http://www.esa.int/spaceinimages/Images/2019/04/Comet_cat
文/松村武宏

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