「名古屋グランパスが好調!風間監督のチームはなぜ強くなった」

風間八宏監督率いる名古屋グランパスが好調だ。

開幕3連勝とスタートダッシュに成功すると、8試合を終えて3位と上位争いを展開中。J1の舞台に返り咲いて2年、指揮官が標榜する攻撃サッカーに守備の安定感が加わり、2010年以来となるリーグ優勝が狙える好チームに仕上がっている。

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今回の当コラムでは、風間体制3年目を迎えた名古屋にフォーカス。好調を維持する理由を2つの視点から切り取った。 

■基本形は4-4-2

上図が今季の基本システムだ。守護神はランゲラックで、最終ラインは右から宮原和也、中谷進之介、丸山祐市、吉田豊という不動のセット。

ダブルボランチは米本拓司とジョアン・シミッチの新加入コンビ。サイドアタッカーは右にガブリエル・シャビエル、左はマルチロールの和泉竜司がスタメンで起用され、ジョーカーの相馬勇紀が試合途中から投入される。

2トップは得点源のジョーを軸に長谷川アーリアジャスール、赤﨑秀平らが起用されている。

■理由その1:助っ人たちのハイパフォーマンス

ここまでの好調を支えているのが、ジョー、G・シャビエル、シミッチら助っ人たちの活躍だ。

まずは、リーグ戦8試合で4ゴールを挙げているジョーだ。

来日1年目の昨季に24ゴールを決めて得点王に輝いた背番号7は今季もエースとして君臨。7節の横浜F・マリノス戦、8節のジュビロ磐田戦と2試合連続で得点をマークし、量産への期待が膨らんでいる。別格のキープ力とポストプレーは脅威そのもので、ポゼッションサッカーの仕上げ役としても欠かせない存在だ。

また、中盤右サイドもしくは2トップの一角としてプレーするG・シャビエルは、極上のテクニックで攻撃を牽引。今季も期待にたがわぬパフォーマンスを見せている。

昨季以上にフィニッシュへの意識が高まり、ここまで3ゴールを記録。すでに昨季の半分に到達しており、このペースでいけば2桁ゴールに届きそうだ。

そして、ダブルボランチの一角に定着したシミッチは、いまやJリーグ最高の司令塔と言っても過言ではない。文字通りの正確無比なパスと豊富なアイデアが最大の売りで、瞬く間にチームへフィットした。

ポゼッションの核であり、今後は対戦相手の密着マークが予想される。警戒が強まる中でも現在と同様の配球を見せられるか。背番号8の出来がチームの白星に直結するだろう。

■理由その2:固まった守備の“骨格”

風間監督率いる名古屋と言えば攻撃的なサッカーのイメージで、昨季もリーグワーストタイの59失点を喫するなど守備の強度には課題を抱えていた。しかし、今季はリーグ戦8試合で6失点(4位タイ)という結果からも分かるように、守備の安定が躍進を支えているのだ。

J2を戦っていた2シーズン前の6月頃を振り返ると、守護神に楢﨑正剛(現・クラブスペシャルフェロー)、センターバックに櫛引一紀と小林裕紀、右サイドバックに宮原、左サイドバックは青木亮太もしくは内田健太(現・ヴァンフォーレ甲府)というラインナップで、ダブルボランチはワシントン(現・GEブラジウ)と田口泰士(現・ジュビロ磐田)が務めていた。

その後、2018年シーズン開幕前にオーストラリア代表のランゲラック、シーズン途中に中谷と日本代表経験を持つ丸山が加入。今シーズン開幕前には吉田、米本という実力者を獲得するなど、年々グレードアップが図られてきた。守備陣は連係が命であるが、徐々に骨格が固まり、相互理解が進んだことがディフェンスの安定に繋がっている。

特にFC東京から加わった米本は、攻撃的なボランチであるシミッチの相棒として出色の出来を披露している。

豊富な運動量とバランス能力の高さを併せ持つ米本はまさに“黒子”と呼ぶにふさわしく、シミッチの相棒にはもってこいのタイプ。健康体を保ち、今後も玄人好みのプレーでチームを支えて欲しいところだ。

2019/4/21 written by ロッシ

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