「『令和』はもっと心の時代になる」――ユーミンが昭和・平成を振り返る

「『令和』はもっと心の時代になる」――ユーミンが昭和・平成を振り返る

4月29日放送の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」(テレビ東京系)では、ユーミンこと松任谷由実さんが特別ゲストとして出演されます。「春よ、来い」「やさしさに包まれたなら」「ひこうき雲」…。数々の名曲を生み出してきた彼女が語る昭和、平成。そして、令和へ向けて思うことなどを、大江麻理子キャスターのインタビューによってたっぷりと語っています。

1970、80、90年代、2000、10年代と五つの年代でオリコンのアルバムランキングのトップを獲得した唯一のアーティスト、ユーミン。そんな彼女の名曲とともに昭和、平成のニュースや出来事を振り返るほか、なぜ常に時代の先を読めてきたのか、バブル時代やバブル崩壊をどう見ていたのか、またユーミンの言葉に今の10代も心を揺さぶられるのはどうしてなのかなど、経済番組の視点から深く掘り下げていきます。歌手・ユーミン、というよりは、“アナリスト”ユーミンとしての新たな一面が垣間見えるのではないでしょうか。

番組は、松任谷さんにまつわる出来事や主なニュースを年表にした「番組特製・ユーミン年表」をもとに進められていきます。ズラッと並んだ松任谷さんの曲は20代の記者でも知っているタイトルばかりで、常にトップランナーだったことを実感せずにはいられません。

72年に18歳で荒井由実としてデビュー。当時の歌の世界は、歌謡曲やフォークソングが主流。しかし、そんな中で彗星のごとく現れたのが松任谷さんでした。「洋楽の影響を主に受けて、カウンターカルチャーというような感じで出てきたように思います」と、当時の状況を自己分析されていました。また、「ひこうき雲」や「ルージュの伝言」「あの日にかえりたい」など、今でもよく耳にする名曲は、実は20歳前後で作成された曲。「ファーストアルバムの曲は15~16歳の頃から作り出しました」と、デビュー当時を振り返りながら、制作秘話を語ります。

そして80年には、「恋人がサンタクロース」などが入ったアルバム「SURF&SNOW」をリリース。実はスキーブームに火をつけたといわれている映画「私をスキーに連れてって」の公開は87年。公開よりも7年も前にスキーを題材にした曲を作り、時代を予見していたのです。「アルバム『SURF&SNOW』は雪の歌を中心にアルバムを作ろうとしたコンセプチュアルな作品」と語りますが、それにしても流行を予測して曲を作ることがいかに難しいかは一目瞭然。なぜ、彼女が時代を予見できたのか。そこにはあるメソッドがあったのです。ぜひ放送を見てご確認ください。

さて、話題は80年代後半のバブル時代へと移ります。解説委員の滝田洋一さんから「バブル時代をどのように眺めていたか」と問いかけられると、「実は80年代前半には、バブル時代のような遊びはすでにしていたんです(笑)。本当のバブルになった頃には楽しませる側に回っていました」と、ユーミンにしか言えないような答えが(笑)。

また、番組ではユーミンならではの曲の作り方も少しだけ解説しています。松任谷さんの曲を聴いたことがある方なら誰もが「あっ、これ私の曲!」と自分にあてはめながら聴いていた経験があるのではないでしょうか。万人に共感される曲を作るためには、「“リアル”を追求する」と松任谷さんは語ります。また、番組終盤では、18年に発売されたアルバム「ユーミンからの、恋のうた。」に記載されているあるフレーズが取り上げられ、大のユーミンファンという一人の女子中学生が紹介されます。時代を超えても松任谷さんの歌詞は誰かを支え、共感を生んでいるのです。松任谷さんは、色褪せない歌詞を書く秘訣を「自分の中に14歳を飼っている」と表現。“ユーミン節”をさく裂させながら、万人の共感を得る曲を作る奥義を明かします。

まもなく「平成」が終わり、「令和」が始まろうとしています。松任谷さんは「令和」という新たな時代に向けてどのようなことを思うのでしょうか。収録が終わると「賢くなった気がする!」と感想を述べていた松任谷さん。松任谷さんから発せられる言葉は、まさに詩的でそのまま歌詞にできそうなほど美しい日本語が並んでいて、記者の私も語彙力の無さを痛感したほどです。また、時代のトップランナーとして駆け抜けてきた彼女だからこそ、各時代を俯瞰(ふかん)で見ることができたのかなと思います。あなたが過ごしてきた昭和・平成を、ユーミンの曲とともに振り返ってみるのもいいかもしれません。

【番組情報】


「WBS 特別企画『昭和・平成・令和と、ユーミンと。』」
テレビ東京系
4月29日 午後11:00~11:58

テレビ東京担当 A・M

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