〈16年ぶりの選挙戦となった東彼杵町長選で現職の3選を阻み、初当選した。選挙では子育て支援の充実などを掲げて町政の“刷新”を訴えた〉
-184票差で現職との激戦を制した。勝因は何か。
とにかく無投票を避けなくては、との思いで立候補を決意した。当初は5日間の選挙期間中に政策を訴えれば、有権者に伝わると考えていたが、出馬表明での出遅れは響いた。改元を控えたタイミングでの16年ぶりの選挙戦となり、“変化”を期待する時代の空気感が後押ししてくれたように思う。選挙戦で打ち出した「変わる未来」というフレーズも、若い世代に受け入れてもらえた。
-選挙戦では多様な政策を訴えた。まず何から取り組むのか。
公約に掲げた子育て世代包括支援センターの開設。育児不安への相談支援や保育環境の充実で、安心して子どもを育てられる体制を整えたい。町内にない小児科医院の誘致も目指す。それから若者の定住促進。交通アクセスのいい町の立地条件を強みに「住みたい町」としてのアピールを強化する。このほか、高齢者へのタクシー券支給や学校給食費助成など公約に掲げた項目を、できることから取り組んでいく。
-2期8年続いた現職の町政から継続することは。
「一流の田舎」を打ち出した移住促進や全国茶品評会で2連覇を果たした「そのぎ茶」のブランド化などは現職の大きな成果。今後は民間の知恵も取り入れて、伸ばしていきたい。
-逆に転換することは。
二つの公立中学校を統合し、4月に新設した東彼杵中については、校舎の場所を巡って地域に不満が残っている。「校舎の場所は統合から5年間をめどに検討する」という教育委員会の提言に従い、地域と協議の場を持ち、合意形成を図りながら検討する。
-現職は、1期目から自身の給与を5割削減し、3期目の公約にもしていた。満額に戻すのか。
町の財政状況を見ながら、町長の適切な給与について議会とよく話し合う。しかし、不在が続いている副町長については、事務方のトップとして必ず置くつもりだ。町職員と町議の両方を経験しているのが自分の強みだと思っている。行政と議会の双方の意見を吸い上げ、融合しながらみんなが一丸となれるような町政運営を進めたい。