羽生結弦選手が新モニュメントのデザイン発表式に登場!「ファンの思いが自分のスケートの源」

羽生結弦選手が新モニュメントのデザイン発表式に登場!「ファンの思いが自分のスケートの源」

羽生結弦選手の活躍と功績を顕彰するため、仙台市地下鉄国際センター駅南側広場に新たなモニュメントが設置されることに。そのデザイン発表式が4月20日に日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)で行われ、羽生選手が出席しました。

郡和子仙台市長が「今日の主役の羽生結弦選手、おかえりなさい!」と呼びかけると、関係者を含めた700人以上の観客から拍手と大歓声が沸き起こります。郡市長は続いて「羽生選手は頂点を極めてなお高みを目指し、私たちに夢や希望や、そして勇気、諦めないことの大切さを常に教えてくださっています。今日多くの皆さま方と共に羽生選手に感謝の気持ちを込めて、発表式を開催します」と開会のあいさつをしました。

黒いス―ツに春らしい桜色のネクタイ姿で登場した羽生選手。郡仙台市長、斎藤範夫仙台市議会議長と共にモニュメントに掛けられた赤い幕の紐を引くと、中からは’18年の平昌冬季オリンピックで演じた「SEIMEI」のポーズが凛々しく描かれたモニュメントのデザインパネルが現れました。

羽生選手はまず、発表式開催に尽力した関係者、仙台市民の皆さん、そしてファンの皆さんへの深い感謝を述べました。そして、「荒川(静香)さんの隣に自分が2人並ぶというのは恐縮です。本当に2連覇したんだな、と感慨深い思いです。これをきっかけに仙台に足を運んでくださる方が増えたらいいなと思います」と新モニュメントへの思いを語り、「自分が演技したことが記録として残るだけでなく、こうしてモニュメントとして歴史に刻まれるということはすごいこと。自分が(オリンピック連覇を)できたことに誇りを持ちたい。これをきっかけに『自分もモニュメントを建てたい!』と仙台でフィギュアスケートをやっている子が一人でも増えたらうれしいです」と期待を寄せました。

また、昨年4月に行われた<羽生結弦選手「2連覇おめでとう」パレード>について聞かれると、「皆さん一人一人の応援の声、そしてありがとう、おめでとう、という声を間近に感じられたことは、大きな経験になりました。そういう気持ちをあの時いただけたからこそ、今もスケートを頑張れているのかな」と感謝を伝え、「まだ復興の道半ばといっていい地域も数多くあります。そういう中で、祝賀パレードをやっていただけたのは、本当にうれしかった。また、それをきっかけに、仙台の地に足を運んでくださったり、募金をしてくださった方もたくさんいらっしゃったと思います。今回のこのモニュメントに関しても、自分ができる最大限のことを復興のためにもしていきたいです」と話しました。

発表式の後に行われた、記者会見の模様をリポートします。

── 仙台に帰ってきていかがですか?

羽生「実は昨日(4月19日)に帰ってきて、まだあまり『仙台だな』という実感がなかったのですが、こうやって地元局や地元紙の方に会うと、『あぁ帰ってきたな、地元だな』と、温かい気持ちになりました」

── 2枚目のモニュメントです。あらためて感想を聞かせてください。

羽生「やはり2連覇した、(モニュメント)2枚分の活躍ができたということがすごく誇らしいです。自分の演技はあの場、あの場所でしかなかったかもしれませんが、それがちゃんと“形(モニュメント)”としてずっと残る。(フィギュアスケートを)やってきて良かった、オリンピックの金メダルは特別なものだとあらためて感じました」

── モニュメントを見るために、東北に観光に来られる方も増えると思います。

羽生「ちょっと違う話になるかもしれませんが、先日ノートルダム大聖堂が燃えてしまいました。(その修復費として)たくさんのお金が集まっていて、再建・修理への気持ち、機運というものがしっかり動いている。また、台湾も先日地震があり、被害があった。そういったいろんな地域でも、小さな力かもしれないけれど、一人一人の力が集まって、復興につながっている。自分という媒体を通して、(人と人が)つながってくれるのは、とてもうれしいことです。これがきっかけになって仙台だけでなく、宮城県、東北、東日本…そういった大きな目で復興が進んでいったらいいな、と思います」

──「平成」で伝説を作った羽生選手ですが、「令和」ではどんな伝説を作るのでしょうか?

羽生「やはり、4回転半(ジャンプ)に挑戦したい、という気持ちが強いです。実際にまだ跳んだわけではないので、そんなに強いことは言えないのかもしれませんが、これから戦っていく上で、自分の武器となる何かを付け加えなくてはいけないな、と。新たな武器を作って、『令和』に向けて頑張っていきたいです」

── 発表式には定員600人に対し2万113通の応募がありました。どう感じますか? また、本日来られなかったファンへメッセージをお願いします。

羽生「自分が(発表式の会場に)入った時の歓声や拍手の大きさなどから、たくさんの方が来てくださったんだな、と思いました。フィギュアスケートのファンではない方もいらっしゃったかもしれません。そういった方々が自分を応援してくださっている、モニュメントを楽しみにしてくださっている、ということがあらためて伝わりました。僕も含めて一人一人は小さな存在かもしれませんが、2万、3万と数が大きくなっていくにつれて大きな力になると思います。そういった大きな力を(2万件の応募という)数字から感じさせていただきました。感謝しています」

── モニュメントのデザインについて感想をお願いします。

羽生「まず、写真が使われているという点が、すごく自分では気に入っています。やはり自分は滑っている時が一番“羽生結弦”になれていると思うので、滑っている瞬間を切り取ったデザインが残されるのはうれしいです。細かいのですが、ソチ(冬季)オリンピックと平昌(冬季)オリンピックでブレードの色が変わったり、細かい部分まで繊細に作られているので、そういったところも気にして見ていただくと、楽しんでいただけるんじゃないかな、と思います」

── 荒川静香さんのモニュメントの隣に、羽生選手の二つのモニュメントが並びます。

羽生「自分がしてこれたことに対して、胸を張っていられるな、とあらためて思います。そして、小さい頃から仙台で頑張ってきて、荒川さんの隣に立てるというのは、仙台の“縁”というか、“力”を感じます。もしかしたら、僕の演技を見て(スケートを)始める選手もいるのかな、と。その子たちが“こういうふうになりたいな”と思えるような人間でありたいと思いますし、また僕が荒川さんに助けられたように、僕も仙台に対していろんな力を使って、(子どもたちがスケートを)頑張る環境を作っていきたいです」

── 羽生選手の今の夢は何でしょうか?

羽生「1年前までは、4回転半のジャンプでした。それをやることによって夢が達成されると思っていました。ただ今の自分の気持ちとしては、4回転半は夢ではなくて、しっかりと習得したいもの、具体的な挑戦するべきものだと思えているので、夢ではありません。そうですね…4回転半を初めて公式試合でキレイに決める人になりたい、というのが今の夢です」

── 羽生選手にとってファンはどのような存在でしょうか?

羽生「つらいこともうれしいことも、もしかしたら自分よりもつらくなっていたり、自分よりも喜んでくれたりする存在なんじゃないかな、と。直近2シーズンの間、2回も大きなけがをしてしまって、そんな苦しい状況の中で、すごく前に向かって、上に向かって、立ち向かっている方からメッセージや手紙をたくさんいただきました。そういう方々の思いが自分に還元されて、最終的に自分の演技になっている、と強く思います。一言でいうと、自分のスケートの源。平昌(冬季)オリンピック前の前のシーズンあたりまで「勝たなきゃいけない」とか「強くならなきゃいけない」とかいろいろ考えている時に、すごく自分主体だったことがありました。そういった時でも“応援してくださっている方々の力”というのは感じていましたが、平昌が終わって、皆さんの思いの力が自分のスケートになっている、直接的に皆さんの思いが伝わっている、とあらためて感じています。そういう方々に、逆に僕から感謝したいです。発表式の時、皆さん一人一人の顔を見て、『ありがとう』と思いました。テレビやインターネットで見てくださっている方もいると思うので、この場を借りて感謝したいと思います。ありがとうございます」

温かなふるさとの空気と、羽生選手を心から応援する人たちの想いを感じた羽生選手の穏やかな笑顔が印象的でした。新たな夢に向かって走り続ける羽生選手を、’19-’20シーズンも全力で応援しましょう!

<雑誌情報>


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