【写真特集】2000年シドニー五輪陸上女子マラソンで金メダルに輝いた高橋尚子さんらを育成し、名伯楽として知られる佐倉アスリート倶楽部(AC)代表の小出義雄さんが4月24日、千葉県内の病院で死去した。80歳。明るく豪快な性格と素質を見抜いて褒めて伸ばす指導力で知られ、多くの名選手を育てた。女子マラソンの〝名伯楽〟を写真でまとめた。(構成 共同通信=柴田友明)
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「Qちゃん、いいよ~」「おまえはマラソンで世界一になれる」。2000年9月24日、シドニー五輪女子マラソン。劇的な展開でゴールイン、金メダルを決めた高橋さんと小出さんの師弟コンビが五輪スタジアムで抱き合った。
取材班の一員だった筆者は2人のやりとりを聞き逃すまいと突進していったのを覚えている。
当時の共同記事で、小出さんは次のように語っている。「レース前も全然、緊張していなかった。すごい子です。今までのマラソンの中では、一番きついコースだったと思う。でも、それよりも5倍以上もきついトレーニングをやってきた。47年間、陸上をやってきてやっとごほうびがもらえた。かけっこが好きなもの同士が一緒にやってきたんだから…。(現地入りして)毎日、32キロから37キロ付近を走らせた。ここで40秒差をつけろと言った。みんなの応援に、勝って恩返しができたと思う」。
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教員生活を23年間送り、1988年に実業団のリクルートの監督に就任。マラソンで92年バルセロナ五輪銀、96年アトランタ五輪銅メダルを獲得した有森裕子さん(「自分で自分をほめたい」、五輪史に残る名言でした…)らを育成した。積水化学に移籍した97年は世界選手権で鈴木博美さんを金メダルに導いた。2002年12月に積水化学を退社。04年に創部したユニバーサルエンターテインメント(当時アルゼ)などから指導を委託されていたが、近年は入退院を繰り返して現場に出る回数も減り、今年3月末で指導者を勇退した。
「名伯楽」小出さんのご冥福をお祈りします。
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