<レスリング>アジア選手権(中国)出場の男子グレコローマン・チームが出発

中国へ向かった男子グレコローマン・チーム

 中国・西安で行われているアジア選手権に出場する男子グレコローマン・チームが4月24日、羽田空港発の日本航空で出発した。同スタイルは27日(土)・28日(日)に行われる。2日前に出発した女子チームは、悪天候のため上海からの飛行機が飛ばず、急きょ1泊しての西安入りだっただけに、だれともなしに「今日は飛んでくれるんだろうな」というムード。

 松本慎吾監督(日体大教=男子グレコローマン強化委員長)は「これまでやってきたことが、できているか、できていないかの確認をしたい。結果とともに内容を求めたい」と、今後の練習の方向性を見極めるためにも重要な大会と位置づける。

 前日に始まった男子フリースタイルでは、2年前の世界王者の高橋侑希(ALSOK)が金メダルを逃すなど、優勝がないスタートとなった。「甘い闘いではない。一戦一戦を大切にして、勝ち切れることが目標」と気を引き締めた。

 今年9月の世界選手権(カザフスタン)でオリンピックの出場枠を取れなかった階級は、来年3月のアジア予選で挑むことになるので、そのための情報収集も重要な仕事。「収穫のある大会にしたい」と話した。

王者として恥ずかしくない試合をする…文田健一郎(ミキハウス)

 高橋と同じ2年前の世界チャンピオン、60kg級の文田健一郎(ミキハウス)は「調整は順調に来ました。エントリーを見て、どの選手も強いと感じた。自分の力をきっちり出して、ここで勝って、6月(全日本選抜選手権)へ向けて弾みをつけたい」と言う。

 まったくの挑戦者だった2年前(優勝→世界選手権優勝)と、ある部分では受ける立場でもある今回の大会。気持ちは違うことも予想されたが、「どの大会も挑むことに違いはないですね」と言う。それでも、「2017年の優勝者として恥ずかしくない試合をしてきたい」と王者のプライド。高橋が金メダルを逃したことについては、「どの国の選手も弱くはない。気を抜けない、と思いました」と話し、気を引き締めている。

 チーム最年長にして唯一のオリンピック選手である72kg級の井上智裕(FUJIOH)は「試合間隔が空くとモチベーションが上がらない時もある。今回は前の大会(3月上旬の欧州遠征)から期間がそう空いていないので、ずっと上がっている状態。体もしっかり作れている」と言う。昨年の大会は3位。「今年は優勝」という目標も、気持ちの盛り上がりにつながっているようだ。

 オリンピック前年で階級を変える選手が多い中、非オリンピック階級だが“自分の階級”にこだわっての出場となる。「自分に合った階級で、最高の状態をつくって世界で闘いたい」との思いでの選択。その気持ちを爆発させられるか。

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