「カジノ導入に反対」 横浜港運協会が新協会設立へ

再開発を控えた横浜港・山下ふ頭=3月31日、横浜市中区

 横浜港・山下ふ頭(横浜市中区)へのカジノ導入に反対している横浜港運協会は、カジノ以外の観光集客事業で地元経済を活性化させるため、新たな組織を5月に立ち上げる。東京湾岸に残る47ヘクタールもの広大な土地への進出を狙うカジノ事業者に対抗する考えだ。

 同協会の藤木幸夫会長は、山下ふ頭での市民主体の観光集客施設誘致・運営を目指し、自らをトップとする「横浜港ハーバーリゾート協会」を5月7日に一般社団法人として登記する。既に平原敏英副市長に新協会の設立を説明し、理解を求めた。

 藤木会長は、ギャンブル依存症問題などを指摘して「カジノは街も人もつぶす」と主張し、国際展示場などのMICE(国際会議などの総称)施設を民設民営で整備すべきとの私案を発表している。新たな協会は開発の段階ごとに事業者の誘致を進める考えで、関係者によると、現時点では自動車レースの最高峰「F1」の世界大会や、300個ものコンテナを組み合わせたホテルの設置計画が検討されている。

 山下ふ頭はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備の有力候補地と見なされており、昨年7月にIR実施法が成立したことで、海外のカジノ事業者を中心に進出の動きが盛んになっている。市は市内でのIR整備は「白紙」との立場を貫いている。

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