昔ながらのわらび餅残したい 大谷堂、CFで協力呼び掛け

昔ながらの製法で国産本わらび粉作りに挑戦している大谷堂 =川崎市川崎区

 国産本わらび粉を使ったわらび餅を作ろうと、川崎大師の仲見世通りに店を構える老舗「大谷堂」(川崎市川崎区大師町)は、クラウドファンディングで資金を集めている。国産本わらび粉は高価な上、簡単には入手できず、大谷茂社長(53)は「昔ながらの製法によるわらび餅の味を残したい」と協力を呼び掛けている。

 大谷堂は、素材にこだわり抜いた純国産のわらび餅を提供。現在は鹿児島県産を使っているが、将来入手できなくなるとの危機感から、八ケ岳の麓にある山梨県北杜市の畑約1万平方メートルを借りた。

 製造予定のわらび餅は、この畑の本ワラビを使用。さらに機械化が主流の粉づくりも、飛騨地方で伝承されている製法で行う。国内最大級のクラウドファンディングサービス「レディーフォー」を活用し、26日までに100万円を目標に募集。100万円は製造費に充てる予定で、既に87万円超が寄せられたという。

 資金提供者には5千円につき同わらび餅1箱(140グラム)などを8月に発送する。大谷社長は「伝統の製法を残し、少しでも多くの人にその良さを知ってもらえれば」と話している。

 同ファンディングを運営するレディーフォー社(東京)と川崎信用金庫は1月、地域活性化に向けて業務提携を実施。今回はその第1号案件という。

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