学生に講座 起業家育成 FFG、長崎大に10月開設

センターの10月開設を発表するFFGの柴戸社長(左)と河野学長=長崎市文教町、長崎大

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)は25日、講座を通じて学部生や院生らが起業について学ぶ「FFGアントレプレナーシップセンター」を10月、長崎大に開設すると発表した。起業家を育成し、地域活力の向上につなげたい考えで、講座は2020年4月にスタートし23年3月までを予定している。FFGが同様のセンターを大学に開設するのは初めて。
 FFGの寄付講座として開設する。センター長は、経営統合した十八銀行(長崎市)からの出向者が務め、総勢約10人態勢となる見通し。学部生や院生を対象にベンチャー創出に必要な基礎知識を学ぶ「アントレプレナーシップ論」や資金調達方法を学ぶ「ファイナンス論」など計8科目を想定している。全科目受講が必要かどうかなど具体的には今後詰める。
 さらに実践的に学びたい学生向けに、「FFGインキュベーション(新規事業支援)プログラム」を20年10月に立ち上げる。学生が研究者とチームを組み、“研究の種”を基にビジネスプランの構築を目指す。
 同大で会見したFFGの柴戸隆成社長は「人口減少が進む中、地域活力の維持は喫緊の課題」とし、新産業の創出で本県経済の発展に貢献していく考えを示した。河野茂学長は「多くの学生が先進的なイノベーション(革新)教育の機会を得て、地域課題の解決策を探るような起業家精神を養うことに大きな期待を持っている」と話した。

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