違法民泊排除へ 神奈川県と同県警が協定

民泊の適正な運営確保に関する協定書を交わす県の市川健康医療局長(右)と県警の新田生活安全部長=県警本部

 神奈川県と同県警は25日、民泊の適正な運営を確保するための協定を締結した。情報共有を密にして、連携して違法民泊の排除や近隣とのトラブル防止に取り組む。

 民泊は、昨年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき、都道府県や政令指定都市などへの届け出を条件に全国で解禁された。

 県によると、同法に基づき2018年度に届け出があった民泊数は県内で計346施設。横浜市(104施設)、鎌倉市(53施設)、川崎市(48施設)の順に多い。うち、県所管域の届け出は128施設で、宿泊者数は延べ2万3792人。国籍別では日本、中国、米国の順に多かった。

 県の保健福祉事務所は18年度に、無届けで民泊を営んだなどとして14施設を調査したが、うち7施設は現在も実態がつかめず、調査を継続しているという。

 協定では、違法民泊に関する情報共有や排除に向けた啓発、悪質違反者への措置などを規定。県は「県警と連携して悪質事業者などに対処することで抑止力が高まり、迅速な対応も可能になる」と期待。県警も20年の東京五輪・パラリンピックを控え、違法民泊が犯罪の温床にならないよう、行政と連携して防犯カメラの設置などセキュリティー対策を進めていく考えだ。

 協定書を交わした県の市川喜久江健康医療局長は「健全な民泊の推進に有意義」と話し、県警の新田泰弘生活安全部長も「民泊がさまざまな犯罪に悪用されているケースもある。県と情報共有して対処していきたい」と述べた。県警は、県以外の届け出先となる自治体とも順次、同様の協定を結び、対策に万全を期す構えだ。

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