水俣病3年ぶり認定 熊本県外の70代男性

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新たに男性1人を水俣病に認定したことを説明する県水俣病審査課の職員ら=25日、県庁

 熊本県は25日、公害健康被害補償法に基づき、蒲島郁夫知事が県外の70代男性を水俣病患者に認定したと発表した。県水俣病認定審査会の答申に沿った認定で22日付。審査会が再開した2015年7月以降の患者認定は5例目で、約3年ぶり。

 国の認定基準は、感覚障害や運動失調といった複数症状の組み合わせを原則としているが、13年最高裁判決は感覚障害だけでも認定の余地があると判断。これを受け、環境省は14年3月、基準の運用に関し、複数症状がなくても有機水銀の摂取と症状の因果関係などがあれば認定できるとする新たな通知を出し、審査が再開された。

 県水俣病審査課は、今回認定した男性について「環境省の新通知に沿って丁寧に審査した」と説明したが、具体的な症状や汚染された魚介類の摂取状況は「個人情報に当たる」として明らかにしなかった。

 蒲島知事は出張先の東京で「水俣病の被害拡大に責任がある県として、大変なご心労を掛けたことに心からおわびする」と述べた。

 一方、知事は審査会答申に沿って22日付で41人の認定申請を棄却した。新通知に基づく審査は延べ1018人で、棄却は948人となった。県に申請し、認定か棄却かの処分が決まっていない未処分者は22日時点で598人。(内田裕之、並松昭光)