<レスリング>【2019年アジア選手権・特集】3月のW杯で自信を得て銅メダル獲得…男子フリースタイル61kg級・藤田雄大(自衛隊)

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61kg級アジア3位の実績で東京オリンピック57kg級代表を目指す藤田雄大(自衛隊)

 【西安(中国)、文=布施鋼治、写真提供=UWWオフィシャルカメラマン・保高幸子】「金メダルが欲しかったけど、銅でもうれしい」。中国・西安で開催されたアジア選手権第2日。男子フリースタイル61㎏級の藤田雄大(自衛隊)が3位決定戦でザムシェド・シャリフォフ(タジキスタン)を3-1で破り、銅メダルを獲得した。

 「第1ピリオドは取られていたけど、相手の攻撃ではなく、アクティビティ・タイムで取られた。第2ピリオド、自分からで仕掛けたら、勝利につながると信じていました」

 果たして第2ピリオドになると、藤田はタイスコアに持ち込んだあと、相手を大きく崩してからバックを奪い、逆転勝利を収めた。「それまでに何回もタックルを仕掛けたけど、取れなかった。でも、最後は自分からポイントを奪うことができてよかった。土壇場で自分の得意の形が作れたと思います」

 今年3月のワールドカップ(ロシア)では3勝1敗の好成績を収めた。中でもキューバとの一戦で、世界王者相手に敗れながら1-1の惜敗だったことは大きな自信につながったという。「それまで外国人との対戦は苦手なイメージがあって、強気に攻めることができなかった。でも、キューバとの一戦のあと、自分から攻められるようになったと思う」

オリンピック・メダリストからハイレベルの指導を受ける

 今大会は自衛隊体育学校に入校してから最初の大会。新たに指導を受けることになった井上謙二監督は、今大会のフリースタイルの代表監督でもある。3位決定戦のインターバル中、井上監督の口から発せられた「出し切れ」という一言が胸に響いた。

3位決定戦は大接戦の末、3-1で勝利

 「残り3分しかないので、より攻めるしかないと思いました」

 同校では、2012年ロンドン・オリンピック66㎏級金メダリストの米満達弘コーチや、同オリンピック55㎏級銅メダリストの湯元進一コーチの指導も受ける。練習量は、学生時代に比べると1.5~2倍に増えた。藤田にとっては望むところだ。「オリンピックのメダリストたちに新しい技術をいろいろ教えてもらえるので毎日が楽しくて仕方ありません」

 6月の明治杯(全日本選抜選手権)は、予選会(5月26日)からオリンピック階級の57㎏級に挑む。この階級には三重・いなべ総合学園高校の先輩である高橋侑希(ALSOK)が控える。今回の遠征では高橋によく相手をしてもらったという。

 「高橋選手は(自分より)下の階級なのに、すごいパワーやスピードがある。身体能力的な部分は自分より上だと思います。明治杯までに、その部分をカバーしていきたい」

 充実した練習環境で、藤田は憧れの先輩越えを果たすことができるか。