家族で応援、パラの魅力を発信 中尾、仲夫妻「スポーツとして面白い!」

中央の男女は俳優の仲里依紗さんと中尾明慶さん。2020年東京パラリンピック開幕まで500日となり、イベントで記念写真に納まる選手ら=13日午後、東京都江東区

 俳優の中尾明慶さん(30)と女優の仲里依紗さん(29)が夫婦そろって、開幕まで500日を切った2020年東京パラリンピックの魅力をPRしている。写真共有アプリ「インスタグラム」のフォロワー数は仲さんが約230万人、中尾さんが約100万人。影響力のある2人はともに子どものころから競泳に取り組んだ経験があり、一ファンの視点から「もっとパラの魅力を発信したい。世界で日本が最も関心ある国になれば」と期待する。会員制交流サイト(SNS)などを通じ、大会を家族で応援しようと呼び掛ける2人に、その理由をインタビューで聞いた。(共同通信=田村崇仁) 

 ―4月13日に行われた大会500日前記念イベントで公の場に初めて夫婦そろって出席した。車いすラグビーのタックルも初体験。なぜ今、パラリンピックなのか。

 中尾さん「これまでも見るきっかけはありましたけど、つい先日も水泳の強化合宿を生で見させていただき、選手たちと触れ合ったり、生で見る機会が増えてきて、やっぱりより一層、この魅力は伝えないといけないなと思った。率直な感想として単純に一スポーツとして面白い。何だよ、これ面白いじゃんって思える」

 仲さん「私は主人と別の日に見させていただきましたけど、すごくお互いに感じるものがあった。パラリンピックに、パラスポーツに。だからより1人でも多くの人に生で見てもらいたい。ただ単に一ファンとしてそう思った」

インタビューに答える女優の仲里依紗さん(左)と俳優の中尾明慶さん夫妻=13日、東京都江東区

 ―まだ五輪より関心が低いという調査結果もある。

 仲さん「チケットがお求めやすい価格帯というのも家族で応援するきっかけになる。一生に一度のこと。おじいちゃん、おばあちゃんを誘って、みんなで思い出づくりになるじゃないですか。来年の夏休みは今から計画を立てて、スケジュールをあけてみんなで応援に行こうと。このパラスポーツを見たら、他のパラスポーツも見たくなるかもしれないし、きっかけに私たちがちょっとでもなれたらいい」

 ―教育的な効果も含め、日本の社会が変わる期待感も出ている。

 中尾さん「日々生活する中で、ちょっとドアを開けてあげるとか、エレベーターを待ってあげるとか、足りていないなと思う瞬間がある。もっと支えられるし、設備だけじゃなくて、目が見えない人がいるな、じゃあ肩を貸しましょうかと言える世の中になっていけば。来年小学生になる息子の教育にもいい影響があるし、大きな成長につながる。1人でも多くの皆さんにパラスポーツの素晴らしさを伝えたい」

2020年東京パラリンピック開幕500日前の記念行事に参加した女優の仲里依紗さん(左)と俳優の中尾明慶さん夫妻=13日、東京都江東区

 ―エネルギッシュで明るいパラ選手と触れ合い、何か感じることは。

 仲さん「私、頑張らなきゃと思った。トーク力もそうだし、むしろ自分を奮い立たせてくれる。海外の方がまだパラスポーツへの認知度、関心度は高いかもしれない。それを日本がナンバーワンにしたい。それに向けて私たちができることはやっぱりやっていきたい」

 中尾さん「周囲には障害があってかわいそうと思う人がいるかもしれないけど、全くそんなことないですからね。選手たち、自分の競技を誇りに思っているし。水泳なんて、水着だけですよ。自分の手足も見えているし、すべて見せて競技に臨む。自分のことをかわいそうだと思っている選手は一人もいないし、前向きに全力で取り組んでいる。応援する側も、そのスタンスでいいと思う」

 ―前回のリオデジャネイロ大会は世界記録が200を超えた。車いすや道具の進歩を含めてすごいと思うスポーツは。

 中尾さん「ブラインドサッカーもすごい。単純に考えられない。たぶんすごくない競技は一つもない。全部がすごい。僕らがそのスポーツを経験したことがないからこそ、やっぱり生で見るべきだと思う。テレビを通してみることもいいけど、東京ですぐに見られるじゃないですか。記録も出るでしょうし、日本は水泳や車いすラグビーもすごく強い。そこに壁もなくなってほしい。とにかく早く大会が来てほしい。早く500回寝よう(笑)。ここはもう全部見る、それしかないと思う」 

2020年東京パラリンピック開幕500日前の記念行事に参加した女優の仲里依紗さん(左)と俳優の中尾明慶さん夫妻=13日、東京都 江東区

 中尾 明慶(なかお・あきよし)子役時代から活躍し、テレビドラマ「3年B組金八先生」、「ルーキーズ」、「ドラゴン桜」など出演多数。映画「時をかける少女」で共演した女優の仲里依紗と結婚。30歳。東京都出身。

 仲 里依紗(なか・りいさ)少女漫画雑誌のモデルオーディションで特別賞を受賞し、芸能界入り。映画「純喫茶磯辺」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞。ドラマ出演多数、日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞している。29歳。長崎県出身。

© 一般社団法人共同通信社