「壊した方が元に戻せる」 諫干潮受け堤防巡り菅元首相

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潮受け堤防の撤去など持論を展開する菅元首相=参院議員会館

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を求める開門派原告・弁護団の集会が25日、東京都内であり、2010年12月の福岡高裁開門判決を最高裁に上告せず確定させた菅直人元首相が出席。当時のいきさつを語りながら「潮受け堤防は無駄というより、あってはならない構造物。壊してしまった方が元の有明海に戻せる」と持論を展開した。
 菅氏は首相就任前から幾度も現地に足を運び「税金の無駄」「歴史に残る大失政」と干拓事業を強烈に批判してきた。集会であいさつに立ち、官邸で高裁判決への対応を決める際、農林水産省に上告する場合としない場合の2案を作るよう指示したが、同省は上告する案しか持ってこなかったと指摘。「開門調査に『1千億円かかる』とも言ってきたが、専門家に聞くと『せいぜい100億円かからない程度』とのことだった。だから(官邸主導で)上告しないことを決めた」と語った。
 また「農水省は技監を中心としたグループが土木工事をやることで権力を握っている。(調整池に)海水を入れると堤防を造った意味が完全になくなる。その意味で理屈を超えて(開門しないことを)死守する姿勢を今も貫いている」と批判した。
 原告・弁護団は集会に先立って最高裁を訪れ、上告されている関連訴訟の慎重審理を求める要請書を提出。集会では最高裁判決への対応強化に向けて関東地区弁護団を立ち上げる準備をしていることを明らかにした。掘良一弁護団事務局長は判決時期について「来年がめど」との認識を示した。