『Daily Mail』は25日、「元トーゴ代表FWエマニュエル・アデバヨールは、アーセナルファンに向かって膝滑りをしたのは人種差別を受けたためだったと話した」と報じた。
このところ再びサッカー界で大きな問題となった人種差別。イングランドやイタリアで多くのトラブルが発生しており、どのような処罰を下すかという点を含めて議論が活発になっている。
それについて今回語ったのはあのアデバヨール。アーセナルから2009年にマンチェスター・シティに移籍したことで知られ、現在はイスタンブールBBでプレーしている。
彼は2009年9月12日のアーセナル戦で決勝点を決めると、ゴールとは逆のスタンドへ一目散に向かう。そしてアーセナルのサポーターに向けて膝滑り(ティエリ・アンリのような…)のパフォーマンスをし、激しいブーイングを受けた。
結局彼は挑発行為をしたということで処罰を加えられることになったのだが、今回明かしたところによればアーセナルのサポーターから激しい人種差別を受けていたために及んだ行為だったという。
エマニュエル・アデバヨール 「僕がゴールセレブレーションをした時、FA(イングランドサッカー協会)はこちらを罰した。アーセナルのファンはなにも罰されなかった。
そして人種差別はそれ以前からその後まで、ずっとつきまとうことになった。
覚えているよ。あのスタジアムに入ったときのことを。アーセナルのファンもそこにいて、『お前の母親は売春婦、お前の父親は象を洗ってる』と歌っていたのを聞いた。
僕の父親は為替市場で働いていて、母親はビジネスウーマンだよ。しかし、あの歌は続いた。
それにどうやって答えればいいのか?何千人ものファンに立ち向かうような声はなにもなかった。
FAは人種差別を止めようとしているか?残念だ。そのようには動いていない。あまりにも遅れている。
我々は疲れているよ。もうたくさんだ。
マリオ・バロテッリやディディエ・ドログバのInstagramを見たよ。何度同じような投稿がされたんだ?我々はそれに答えなければならないよ。差別行為があったら、ピッチから離れなければいけないんだ」
(アーセナルから離れたときについては?)
「アーセン・ヴェンゲル監督は、いずれにしても何も話してはくれなかったよ。人々はサッカーが家族的なものだと思っているが、単なるビジネスなのだ。
ある日突然マンチェスター・シティに行ったわけではない。アーセナルと5年契約を結んでいたんだ。
僕はプレシーズンに合流して、ヴェンゲルから『君は退団しなければいけない』と言われた。
『なぜ?どうして退団しなければならないんだ?』と聞いたよ。僕はあと1年間残りたいと頼んだが、そうはならなかった。そして追い出された。
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ヴェンゲルは『ダメだ』ということだったんだろう。残ったらメンバーには入れないだろうと言っていた。
そうなったら、退団しなければならないよ」