【美女の乗るクルマ】-scene:9- ホンダ インサイト × 沢すみれ

ホンダ インサイト × 沢すみれ

ミステリアスな妻・沢すみれの真相を確かめるべく、今繰り出す

朝7時40分、妻のすみれが静かに家を出て行く音がする。

百貨店でアパレル店員をしている彼女は、毎日この時間に家を出る。夜型生活の私を起こさぬよう気遣ってくれているので、私も気付かないことが多いが、この日は目が覚めた。だがそのまま息をひそめ、すみれの動きに耳をすませる。そして彼女が家を出たことを確信してから、動き出す。

私は最近の彼女の行動に怪しさを感じている。そしてその真相を確かめるべく、最近購入したばかりの愛車・新型インサイトに乗り、今日は繰り出すことにしたのだ───。

(この物語はフィクションです)

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ホンダ インサイト × 沢すみれ
ホンダ インサイト × 沢すみれ

売れないフリーライターの私だが、なんとか都内でクルマを持つくらいは仕事を得られている。愛車として選んできたのは歴代インサイトだ。はじめは99年、次は2009年、そして作年と、私の購入時期とインサイトのモデルチェンジはちょうど10年周期でほぼ同じタイミングだ。このクルマのスタイリングや車格などが時代とともに変わっていくのも興味深く、気に入っている。現行型はエレガントなハイブリッドセダンとなった。仕事のキャリアとともに年齢を重ねてきた今の私にとって、ちょうどいいコンセプト、サイズ感、雰囲気である。

高品位なセダンとなったインサイトの車内に入ると、すみれの匂いがした。昨晩は雨が降りはじめてきたために迎えを頼まれたのだが、なぜか指定の場所は職場のある渋谷でなく六本木で、彼女はいつもとは違う香りを漂わせていた。今朝もまだ雨が降り続いていて、昨晩の彼女のなんともいえぬ香りがほのかに車内に漂っている。それを味わうかのようにして走り出した。

ホンダ インサイト × 沢すみれ

すみれの職場のすぐそばにインサイトを止めると、なんとなく彼女の姿を探す。対象は自分の妻なのに、なんだか罪悪感で胸が苦しい。しばらく街角を眺めていると、その姿を見つけることができた。だが、彼女の姿は、いつもの平凡な人妻とは違っていた。アイラインもルージュも強調されていて、色気の感じられる佇まいだ。まるで、流麗なシルエットで美意識や品格を表現する、この新型インサイトにぴったりの装いである。

このクルマを買う時に、彼女が私にこう尋ねてきたことを覚えている。

すみれ:「このクルマに似合う女性ってどんな人だろう?」

それまで乗っていた先代インサイトは、どちらかというと庶民的な雰囲気漂うモデル。すみれも、当時はファストファッションを好むような、日々の生活においてコスパを気にするような、素朴な女性だった。

「似合う」とはどういう意味かと聞くと、すみれは小首をかしげつつも、はにかんだ笑顔を見せて、こう言った。

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すみれ:「だってクルマってある意味、持ち主のアイデンティティでしょう。あなたがこのクルマを選んだってことは、今のあなたはこのクルマの雰囲気を手に入れたいと思っているってことなのよ」

私:「だからって、君とクルマとは関係ない話だ」

それに対して彼女は何も答えず、ただ、ふふふと笑った。彼女の言い分に対してエクスキューズをつけるわけではないが、妻と愛車とは、どう転んでも同じ目線で語れるものではない。だが、私の選択や言動が、彼女の行動の源泉だったことは事実なのだろう。

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お互いをリスペクトし合って、相手を尊重していかないといけない

ホンダ インサイト × 沢すみれ

すみれとはひと回り以上年齢が離れているわけだが、私たち夫婦が大切にしてきたことがある。それは、“常に対等の関係でいる”ということだ。結婚することを決め、いろいろ準備を進めていた頃に、彼女はこう切り出してきた。

すみれ:「やっぱり結婚生活って、基本的に長く続くものではないと思うの。だってどちらもエゴがある一人の人間同士だもん」

私:「これから結婚するのに、見えない未来を悲観することはないだろう?」

すみれ:「悲観じゃないの。だからこそ、二人はお互いをリスペクトし合って、相手を尊重していかないといけないということ、そうしようとする気持ちをこれから一生持ち続ける勇気や努力が必要だと思うんだ」

驚いた。20代の女性がここまで、と思うと同時に、自分が結婚というものを甘く考えていたのだと、改めて気づかされたのだ。そして、だからこそこの人を一生大切にしたいと思った。もちろん、リスペクトを忘れずに。

ホンダ インサイト × 沢すみれ

そういえば、この新型インサイトには、2モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」が採用されている。これは上質な走りと低燃費性能を両立するホンダ独自のシステムで、実際に愛車として運転していて実感させられているが、力強く滑らかな加速感を見事に実現している。

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なんだか似ているではないか。お互いが相手の気持ちを尊重し、意思や行動を侵害せず、理想的な関係を維持しながら、二人が共同で暮らしていく、我々夫婦の形に。私たちが気高い精神の持ち主であるとは、決して思っていない。しかしこのクルマは気高いと思えた。

なぜ今そんなことを思い出したのかといえば、たぶん相手の意思や行動を侵害しようとしている自分が、今ここにいるからだ。しかし、リスペクトと信頼とはまた別の話である。なぜなら、最近のすみれの行動は怪しいのだ。

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自分の根幹部分は変わらない

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彼女はいとも簡単に私を見つけた。まるで私に対するセンサーが装着されてるかのようだった。そして、クルマに近づいてくるなりひとこと放つ。

すみれ:「ねえ、このインサイト、街のなかで見ても素敵だよね」

私が彼女の職場近くにいたことに対し、まったく疑問を抱かないような表情をしている。いや、これが彼女が言うところのリスペクトであり、私を信頼しているということなのだろう。

なんと責められようとも言い訳できるものではなかった。なぜなら私は彼女を完全に疑っていたのだ。リスペクトも信頼も、今の私には遠い世界の話なのだ。しかし、彼女は一切そこに対して触れてこない。それどころか、自分の指定席である助手席に乗り込んできた。

すみれ:「休憩時間だからすこしドライブしよーよ」

結婚当初、すみれから嫉妬に関して質問された私はこんな風に答えていた。

すみれ:「あなたは浮気の心配とかしないの?」

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私:「う〜ん、どうかなぁ。君のことは素敵だと思うけど、職場は女性ばかりだろう?」

すみれ:「つまんない」

私:「いちいち嫉妬することを考えてたら、君と結婚なんてしてないさ。美人と結婚して毎日嫉妬してたらストレスで死んでしまうって」

すみれ:「はいはい、そういうのいらないからー」

当時は虚勢をはっていた私だが、現在は白々しい強がりの仮面をかぶろうとはしない。自信のなさは赤裸々で、彼女の行動への探究心も見え見えだ。だが、本性が丸裸になった私に対しても、助手席のすみれはむきだしの無邪気さで接してくる。

すみれ:「ねえ、このインサイトって自動ブレーキ付いてるんでしょ?」

私:「あ、ああ、Honda SENSINGな」

すみれ:「本当に自動かどうか、ここで試してみよーよ」

私:「試せるわけないだろ!」

ホンダ インサイト × 沢すみれ

自分が一番好きな女性が、自分が一番好きな笑顔を、自分だけにむけている。すみれはシンプルで、決して人に流されない女性だ。この新型インサイトがそうであるように、時代に合わせてファッションやメイクを変えようとも、自分の根幹部分(インサイトならハイブリッド専用車であること)は変わらないのだ。

私はその部分に、彼女の人間としての本質的な魅力に惹かれている。何年経ってもこの気持ちは薄れることがない。だから、彼女への疑いについては忘れるようにしよう。ミステリアスな行動をとろうとも、いつだって彼女を信じて、リスペクトを忘れない夫でいよう。愛車同様、自分から惹かれ、自分から選んだ人なのだから。

[Text:安藤 修也/Photo:土屋 勇人/Model:沢 すみれ]

沢 すみれ(Sumire Sawa)

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1995年1月15日生まれ(24歳) 血液型:O型

出身地:北海道

2019 SuperGT「チームクニミツ RAYBRIG レースクィーン」

2019年MFGエンジェルズ

2018 SuperGT「SUBARU BRZ GT GALS『BREEZE』」

月刊ゴルフトゥデイイメージガールユニット「GTバーディーズ」

2017 SuperGT「DUNLOP DIREZZA Cheers 2017」

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