DeNA今永の際立つ安定感、両リーグトップ5QS 巨人山口&阪神西は4戦4QS【セ編】

DeNA・今永【写真:荒川祐史】

チーム別では巨人がトップ14QS 阪神、DeNAが続く

 クオリティースタート(QS)とは、先発投手が6回以上を投げて自責点3以下で抑えることだ。先発投手の最低限の責任とされ、完投、完封が少なくなった近年の野球では、先発の重要な指標となっている。

 4月25日時点のチーム別QS数を見ていこう。セ・リーグ。

○セ・リーグ

1巨人22試14QS
2阪神24試13QS
3DeNA23試12QS
4広島23試11QS
5ヤクルト24試10QS
5中日22試10QS

 巨人が1位だが、それほど大きな差はない。6球団とも半分前後の試合で、先発投手がQSをクリアしている。DeNAは昨年143試合で45QS、QS率は31.5%で12球団最下位だったが、今季のQS率は52.2%と上昇している。

巨人菅野、広島大瀬良はリーグ2位タイ4QS 昨年17QS阪神ガルシアは大誤算?

○セ・リーグ個人QS10傑

1今永昇太(De)5QS(5試2勝1敗38回 率1.18)
2大瀬良大地(広)4QS(5試2勝2敗37回 率1.95)
2菅野智之(巨)4QS(5試3勝2敗33回 率3.82)
2西勇輝(神)4QS(4試2勝2敗30回 率1.50)
2山口俊(巨)4QS(4試4勝0敗29回 率1.86)
6原樹理(ヤ)3QS(4試2勝1敗30回 率2.70)
6大野雄大(中)3QS(4試1勝1敗27.2回 率2.60)
6床田寛樹(広)3QS(4試3勝1敗27.1回 率2.30)
6柳裕也(中)3QS(4試2勝0敗26.1回 率2.73)
6青柳晃洋(神)3QS(4試1勝2敗24.1回 率2.59)
6野村祐輔(広)3QS(4試2勝0敗24回 率2.25)
6メルセデス(巨)3QS(3試2勝1敗22回 率2.45)
6浜口遥大(De)3QS(3試1勝1敗21回 率1.71)
6ロメロ(中)3QS(3試2勝0敗19回 率0.95)

 DeNAの今永が両リーグ最多の5QS。防御率もリーグ1位だ。昨年は4勝11敗と期待を裏切ったが、今季はエースの活躍だ。広島の大瀬良、巨人の菅野という両エースが4QSで続いている。大瀬良は25日の中日戦で完封勝利。菅野は25日のヤクルト戦で青木、山田、バレンティンにキャリアワーストの3者連続本塁打を喫した。最高球速も150キロを割り込み、気掛かりな状況になっている。

 オリックスからFAで移籍した阪神の西も4QS。エースのメッセンジャーが不振にあえぐ中、救世主的な活躍となっている。巨人の山口俊も、昨年は9勝、防御率3.68だったが、今季は4試合4勝4QSと抜群の安定感だ。一般的に外国人投手は日本人投手よりも早めに降板することが多いが、そんな中で巨人のメルセデス、中日のロメロが3QS。昨年、中日で26試合に登板して17QSだったガルシアは、阪神に移籍した今年は3試合に先発したが3試合とも7失点と炎上した。

 最近は先発投手を1、2回程度で降ろす「オープナー」という起用法が生まれている。これが普及するとQSは減少することになりそうだが、当面のところはQSは重視すべきだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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