メクル第365号 動物の「うんこ」がつなぐ命の輪 自然界で貴重な栄養源

うんこ循環図(ペンギン水族館提供)

 臭(くさ)くて汚(きたな)いものといって真っ先に思い浮(う)かぶのは何? 「うんこ」という人も多いのでは。でも自然界では、とっても大切な存在(そんざい)げな。「うんこ」をテーマにしたユニークな企画展(きかくてん)が開かれている長崎市宿町の長崎ペンギン水族館で勉強してきたばい。

 企画展「世界はうんこでできている~うんこがつなぐ命の輪~」は、動物などのふんが栄養源(げん)として自然界で果たす役割(やくわり)などを紹介(しょうかい)しています。約1年前から「うんこミーティング」を重ね、ようやく開催(かいさい)することができたんだって。
 大塚摩耶子(おおつかまやこ)学芸員(40)は「うんこに対する考え方を変えるのが狙(ねら)いの一つ。だれかのうんこをだれかが必要としている。それが繰(く)り返されて、世界はうんこでつながっている。そう感じてもらえたらうれしい」と、力強く話してくれたばい。
 会場では、動物のふんを食べる国内外の虫を紹介。その一つに、宝石(ほうせき)のように光り輝(かがや)くオオセンチコガネの標本もありました。桜(さくら)の葉っぱを食べたガの幼虫(ようちゅう)が出したふんは、桜餅(もち)のような香(かお)りがしました。サンゴを砕(くだ)いて食べるブダイ(魚)のふんが、白い砂浜(すなはま)の一部になっていることを解説(かいせつ)するコーナーもあったばい。
 動物のふんは、キノコなどの菌類(きんるい)にとっても貴重(きちょう)な栄養源です。ふんは菌類が分解(ぶんかい)することによって有機物から無機物に変わり、植物が吸収(きゅうしゅう)できるようになるんだって。そんな「命の輪」を「うんこ循環(じゅんかん)図」で説明しとった。
 ライオンやゾウガメなどのふんの標本約20点もならび、展示(てんじ)しているふんが何の動物のものかを当てるクイズも。会場にいた長崎市立西山台小6年の田中(たなか)あおいさん(11)は「臭くて汚いというイメージしかなかったうんこが、動植物の役に立っていることがよく分かった」と笑顔で話していました。

 企画展は5月26日まで。

展示スペースにならんだ動物たちのうんこ。田中さん姉妹も熱心に勉強していた=長崎ペンギン水族館

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