<レスリング>アジア選手権(中国)出場の女子チームが帰国

出場全選手がメダル獲得した女子チーム

 中国・西安で行われているアジア選手権に出場した女子チームが4月27日、成田空港着の日本航空で帰国した。全階級メダル獲得という目標は達成したが、9階級で決勝に進み、勝ったのは半分に満たない4階級。この部分では反省のある遠征となった、

 笹山秀雄監督(自衛隊=女子強化委員長)は「全階級メダルという目標を達成できたのはよかったが、世界選手権でなくてよかった、と思うところもある」と反省の弁。オリンピック階級でもある53kg級と62kg級の決勝で、ともに最後に逆転負けしたことは痛恨で、「あんなことをしていたら駄目。前(不振だった昨年のアジア大会ごろ?)の状態に戻ったようだ。引きずらないよう、やり直したい」と言う。

 中国が強いのは変わらなかったが、北朝鮮がいっそう台頭。モンゴルが若手中心で来てベストメンバーの実力は分からないなど、アジアでも簡単に勝てない現実を知らされた大会でもあったようだ。その中でも、10代の選手(稲垣柚香、類家直美、鏡優翔)の踏ん張りもあり、明るい要素も感じたのは確かな様子。そのムードをどう生かすか。

 このあと、5月4日から全日本合宿を行うほか、9日(木)~17日(金)にフィンランドで68kg級以上を中心とした選手による海外合宿を行い、欧州の選手を相手に重量級に特化した強化を実施する。6月の明治杯全日本選抜選手権を前に、全体の底上げをはかる。


多くの報道陣が待つ中、帰国した女子チーム

 ■50kg級優勝・入江ゆき(自衛隊)「今回は今までやってきた技と動きができてよかったと思います。(決勝の相手は世界3位)自信になります。このあとは、まずは明治杯(全日本選抜選手権)で優勝できるよう頑張りたいと思います」

 ■53kg級2位・向田真優(至学館大)「2位という結果をしっかり受け止めたい。すぐに明治杯がある。改善する点も見つかったので、しっかり修正して臨みたい。負けた悔しさを忘れず、明治杯に悔しさをぶつけたい」

 ■55kg級2位・五十嵐彩季(至学館大)「たくさん課題が見つかったので、その課題をしっかり克服したい。少し油断していたところがあって、それが敗因だったと思います」

 ■57kg級3位・伊調馨(ALSOK)「気持ちは(一晩経っても)変わりません。アジアの強豪選手と闘えたことを今後に生かし、明治杯で優勝できるように頑張りたいと思います」

 ■59kg級優勝・稲垣柚香(愛知・至学館高)「課題にしていた攻め切るレスリングができて、よかったと思います。(3試合圧勝だが)最初、自分のペースで進めることができていなかったので、それを課題に今後も頑張りたい」

 ■62kg級2位・川井友香子(至学館大)「自分の駄目なところ、弱いところを実感することができました。明治杯の前でよかった、という前向きな気持ちで、これからも頑張りたい」

 ■65kg級2位・類家直美(至学館大)「大きな大会は初めて。いつもは最初から攻めることができるのに、この大会は攻めることができずに負けてしまった。そこが課題です。決勝は緊張してしまった。緊張しても自分の技を出せるように練習したい」

 ■68kg級優勝・土性沙羅(東新住建)「手術明けの初めての国際大会。目標としていた攻めて勝つレスリングができてよかった。(ライバルの中国選手に勝ち)今まで接戦の試合をしてきた相手にタックルでポイントを取って勝てたことはよかった」

 ■72kg級・鏡優翔(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)「課題はたくさん見つかりましたが、目標としていた優勝ができてよかった。1回戦から決勝まで力強い相手で、みんな強豪でした」

 ■76kg級・皆川博恵(クリナップ)「詰めの甘いところが出てしまった。ポイントにつなげられない面が出てしまったので、修正してこれからに臨みたい。(ライバルとは別の中国選手に敗れて)中国選手を意識しすぎているようなので、意識しないで闘いたい」

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