【バレーボール】若手が活躍もセット取り切れず、ストレート負け/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第7戦 vs日大

攻守の要・小出

全11試合にわたる春季リーグ戦は、後半戦に突入した。いまだ初勝利に手が届いていない慶大にとって、ここから「絶対に負けられない戦い」(富澤太凱副将=経4・慶應)が続く。この日は、同じく全敗の日大との対戦となった。序盤まで互角の戦いを見せていた慶大だったが、終盤にセットを取り切る力が足りず、逃げ切られてしまった。慶大はストレートで敗れ、連敗を止めることはできなかった。

2019年4月27日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第7戦 慶大×日大

@キッコーマンアリーナ

得点
慶大	セット	日大
18	1	25
18	2	25
23	3	25
出場選手(サーブ順)
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
WS	23	小出捺暉(環2・駿台学園)
MB	9	降小雨(商1・慶應)
OP	21	富澤太凱(経4・慶應)
WS	5	宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)
MB	12	清水柊吾(総3・広島城北)
S	1	吉田祝太郎(政3・慶應)
Li	7	永田将吾(総2・高松)
Li	17	加藤真(商3・慶應)
途中出場	6	片波見和輝(文4・成田)

宮川のスパイク

第1セット、「序盤が課題」(加藤真=商3・慶應)となっている慶大だったが、宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)のクロス方向への鋭いスパイクや、富澤のノータッチサービスエースなでで上々の滑り出しを見せる。その後、降小雨(商1・慶應)のクイックや富澤のスパイクなどで得点を重ねていった慶大は、大きな失点もなく日大に食らいついていった。しかし終盤、自陣スパイクがすべて拾われてサイドアウトを切れなくなった慶大は、痛恨の6連続失点。18-25でこのセットを落とした。

コートを駆け回る宮川(左)と降(右)

第2セット冒頭は、新戦力2人が活躍した。長いラリー戦の末に宮川がスパイクを決めたかと思うと、直後には降が1枚で相手クイックをブロック。前セットからの悪い流れを断ち切った。しかし、この日の慶大は決定力が足りなかった。相手にスパイクを拾われたかと思うと、すぐに切り返しの攻撃を浴び、連続失点。対して自分たちはブロックが機能しきらず、ブレイクの糸口をつかむことができなかった。18-21からは、トスミスや相手の子ブロックポイントなどで4連続失点。慶大はこのセットも落としてしまった。

Li永田がコート後方からチームを支える

第3セットは、相手攻撃に苦しめられた。中盤には3回連続でクイックによってファーストサイドアウトを取られるなど、ブロックが翻弄された。だが、慶大も食い下がる。両サイドのスパイクへのブロックを修正し、ワンタッチを取ってLi永田将吾(総2・高松)やWS小出捺暉(環2・駿台学園)が好レシーブでつなぐ。理想的な形を作った慶大は、終盤に2度の3連続得点を奪って一時逆転。だが、取り切れなかった。23-23の同点から、2本連続で相手にブロックポイントを許し、デュースに持ち込めぬまま敗戦。セットカウント0-3で敗れ、連敗を止めることはできなかった。

互いに全敗で迎えたこの対戦。リーグ後半戦に向けて弾みをつけるため、是が非でも勝ちたい気持ちは慶大も日大も同じだっただろう。そんな状況下で、ブロック&レシーブの形に持ち込み、自分たちの攻撃を展開できた日大。対照的に、慶大は日大のペースに飲まれてしまっているようだった。タイムアウトやセット間、さらには失点が重なるたびに雰囲気が落ち込んでしまい、自分たちの本来の力を発揮できていない。試合中の冷静な修正と、気持ちの切り替えが喫緊の課題だ。

富澤の力強いサーブ

春季リーグ戦がはじまってから7戦を戦ってきた。慶大は、現チーム体制になってから、一度も勝利を手にしていない。「もう背水の陣とか言っていられない」(加藤真)――入替戦もちらつき始め、選手たちの表情は曇ってしまっている。だが、「目の前の相手にしっかり向かって、目の前の一戦に全力注いで勝てるように」(宮川)。焦ることなく、自分たちのバレーをコートの上で伸び伸びと表現してほしい。

(記事:藤澤薫 写真:堀口綾乃・八幡藍・宮崎柚子・持丸嘉昭)

以下、コメント

富澤太凱副将(経4・慶應)

――今日の試合を振り返って

リーグ後半戦、絶対に負けられない戦いが今週から始まるっていう中で、相手の良いところを出されていしまって、こちらはなかなか自分たちの納得できるプレーを出せず、負けてしまいました。

――チームの雰囲気は

先週の敗戦を受けて、いつも以上にしっかりミーティングをして確認もしたので、雰囲気としてはまずまずの滑り出しだったのですが、いざ試合になるとどうしても…という感じですね。

――第1セットは途中までは順調でした

このリーグを通じて、「追いついてからのもう1本」というところが取れないという課題がずっとあって。今日も第1、2セットともに、そういう悪いところが出てしまったのかな、という感じです。

――第3セットは接戦を取り切ることができませんでした

やっぱり日大さんは思い切りがありました。最後の2つもブロックポイントだったので、最後、気持ちを乗せることも大事なんですけど、冷静に周りを見て判断することも大事だなと感じました。

――ブロック&レシーブなど、慶大の繋ぎの面は

やっぱり慶應の永遠の課題はディグ。レシーブ勝負にもっていかれると、正直こっちの分が悪い。なのでなるべくブロックで負担を減らしてあげたいんですけど、その触った後の2本目以降が繋がらずに、相手に良い形をどんどん作らせてしまったというのが敗因の一つにあると思います。

――今日のご自身のプレーは

今日はいつも以上にリラックスして臨めたんですが、やはり勝負所での1本、常々甘いと感じていて。今日の出来もあまり良くなかったなと思っています。

――次戦、学芸大戦に向けて

連敗で、チームとしても自分としても本当に苦しいんですが、でも今日本当に少しだけ見えたので、希望が。なので気持ちを落とさず、チーム一丸になって戦いたいと思います。

加藤真(商3・慶應)

――今日の試合の振り返り

先週とかは結構序盤が課題になっていて。今日は入り自体はそこまで悪くなかったのかなという感じだったんですけど、結局勝負どころ粘られて、負けたのかなと思います。

――サイドアウトとブレイクそれぞれ振り返って

サイドアウトは、まあサーブカットに関してはそこまで悪くなかったです。ただそこから2本目、3本目がなかなか良い状態で打てていないことが多かったのかなと。ブレイクに関しては、ブロックがあんまり良くなかったのかなという感じで。勝つにはやっぱりブロックが鍵だと思っています。

――ブロックやレシーブなど、繋ぎの面は

良くなかったからやっぱり勝てなかったのかなと思います。そこが良くなってくれば勝機はあったのかなと思います。

――ご自身のプレーについて

取っているボール自体はそんなに多くなかったんですけど、触ったボールに関しては基本的に返していて。これからは、サイド選手に負担をかけないように範囲を広げられたらいいかなと思います。

――最後を取り切れなかった要因は

勝ちに対する意識がちょっと弱くなっちゃったのかなって。ここ1本っていうところの、気持ちの弱さが出ちゃった。精神論はあんまり好きじゃないですけど、そこはやっぱり気持ちが大事なのかなと思います。

――次戦、学芸大戦に向けて

もう背水の陣とか言っていられないので、死ぬ気で勝ちにいきます。

宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

――今日スパイクをたくさん決めていました

今日は、今まで自分が出してもらった中で一番落ち着いて試合に入れて。1本目も思った通りの感じで決まって、自分的にはスパイクは、波に乗れていたと思います。

――サーブレシーブの面では

キャッチは、(小出)捺暉と(永田)将吾と(加藤)真さんに助けてもらいながら、結構自分の中では、まとめられていたと思います。

――ブロックに関しては

自分の所にあまり来なかったんですが、ライトをもっと仕留められていたら試合の展開も変わっていたと思います。スパイクとキャッチについては、良かったと思うんですけど、ブロックのところでもっと仕留められたなと思います。

――3セット目、取り切れなかった要因は

最後シーソーゲームになってきて。うちは最後(富澤)太凱さん勝負ってところで、相手もたぶん分かっていたとは思うんですけど、相手が決めてきたところで、自分たちが決めきれなかったところが最後の1本の差かなと思います。

――次戦に向けて

こうやって連敗が続き、残り試合数も少なくなってきて、入替戦というのが見えてきちゃっていると思うんですけど、まずはそういうことは考えずに、目の前の相手にしっかり向かって、目の前の一戦に全力注いで勝てるようにしたいと思います。

降小雨(商1・慶應)

――今日の試合を振り返って

リーグ戦を通して6連敗という中で、チーム一丸となって日大を倒して流れを呼んでこようと入りましたが、相手のクイック攻撃が止まらなかったり、こっちのミスが出てしまったり、結果的にはストレートで負けてしまって悔しい気持ちもあるんですけど、自分たちの力を出し切れた場面も多かったなと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

今日はサーブカットが返っていたので、序盤に結構(吉田)祝太郎さんがクイックを上げてくれて、何本か決まったかなという印象だったんですけど、段々と相手のブロックに捕まり始めて、まだまだ実力が足りないなと思いました。

――相手はクイック攻撃をたくさん使っていました

相手のセッターの使い方が上手で、完璧なAパスのときにサイドに上げられてしまったり、ドンピシャでコミット(ブロック)があっても止まらなかったりと、結構後手を踏んでしまった感じがありました。

――第3セットを取りきれなかった要因は

第3セットもそうですが、3セット全部通して序盤、中盤までは結構粘れたんですけど、終盤にかけて上手くサイドアウトを切れなかったところだと思います。原因が何かは上手く自分で説明はできないんですけど、最後の一押しという部分で押し負けてしまったことが取りきれなかった要因だと思います。

――次戦に向けて

自分のプレーが勝ちに直結するポジションではないので、やれることを最大限にやって少しでもチームが上がり調子になれるよう貢献できたらなと思います。

順位(4月27日終了時点)
大学	勝利数	セット率
1位	早大	7	10.5000
2位	東海大	7	5.2500
3位	筑波大	6	2.5714
4位	明大	5	1.6364
5位	中大	5	1.3636
6位	日体大	4	1.3333
7位	専大	3	0.6250
8位	駒大	2	0.4444
9位	日大	1	0.6667
10位	順大	1	0.5000
11位	学芸大	1	0.3500
12位	慶大	0	0.1429

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

なお、下位2チームは1・2部入替戦に回る。

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