24年間お蔵入りの豊臣秀吉像を公開 豊国神社「令和見守って」

©株式会社京都新聞社

豊臣秀吉の陶像は5月1日から一般公開する(京都市東山区)

 豊臣秀吉をまつる京都市東山区の豊国神社で、かつて境内にあった陶製の秀吉像が24年ぶりに復活する。1995年の阪神大震災で台座が壊れて以来、長く蔵の中で保管されてきたが、5月1日の新天皇即位に合わせる形で境内で再び公開されることになり、神社では「令和の安寧を秀吉公に見守っていただきたい」としている。

 高さ約1.1メートルの秀吉像は太平洋戦争中に制作されたとみられ、同約1.8メートルの台座には「皇紀二千六百年記念事業」「修道学区内各種団体」と記されていた。京焼・清水焼で知られる地域らしく像も台座も陶製で、秀吉像は釉薬のかかったあめ色がりりしさの中にも優雅な風情を醸す。

 唐門(国宝)のそばに安置されていたが、阪神大震災の際に石灯籠が倒れて台座に当たり、修理不能なほど粉々に砕けた。秀吉像も一部破損したものの無事に修復が行われたが、台座については大型の窯が見つからなかったことから再度焼くことができず、像のみ蔵の中で保管されてきた。

 ただ、吉田武雄宮司(61)は「平成の時代に壊れた像は平成の間に直したい」との思いを抱いていたといい、5月1日の新天皇即位に合わせた復興を計画。陶製の台座を新たに作ることが難しかったため、近くの豊国廟にあった灯ろう2基の台座の活用を決めた。かつて金属製の灯ろうが乗っていたが、戦時中の金属供出で失われたまま石造りの台座だけが残っていた。

 今月初めごろから工事に取りかかり、灯ろうの石を八角形に整えて境内に固定、以前のものよりやや小ぶりの高さ1.6メートルの台座が完成した。すでに秀吉像も安置しているといい、1日に「践祚(せんそ)改元奉告祭」を行ったあと像の清祓(きよはら)いをして一般公開する。吉田宮司は「秀吉公は皇室を大切にされてきた。このタイミングで再興できてよかった。多くの方に参拝してほしい」と話している。