<レスリング>【2019年アジア選手権・第5日/特集】出場選手の声

(2019年4月27日、中国・西安/取材=布施鋼治、写真提供=UWWオフィシャルカメラマン・保高幸子)


 ■男子グレコローマン55㎏級2位・片桐大夢(拓大=初めてのシニアの国際大会で銀メダルを獲得)「表彰台では、隣に金メダルをかけていた人(ウズベキスタンのイルコム・バクロモフ)がいて、うらやましかった。シニアの国際大会に出るのは初めてだったけど、『次は絶対に僕が金メダルをかける』と心に誓いました。日本に帰国したら、もっと技の数を増やそうかと思っています。

 自分は通常体重が軽い。世界選手権のように大会が2日間になったら、(両日とも計量があるので)通常体重が58㎏級くらいの自分には有利になると思います。現状でグレコローマンのオリンピック階級の最軽量は60㎏級だけど、階級変更をするつもりはない。2024年のパリ・オリンピックで57㎏級くらいまでの新たな階級ができたら挑戦しようと思っています」


 ■男子グレコローマン63㎏級・山田義之(日体大=準々決勝でイラン選手にテクニカルフォール負け)「相手の圧力が強くて、相手に合わせてしまったことが敗因。得点につなげられるところがなかった。相手のレスリングをさせてしまった。グラウンドの強化はしていたけど、ローリングで回すことができなかった。もっと徹底して、どんな相手に対しても自分のレスリングができるようにしたい。まだまだ経験不足」


 ■男子グレコローマン77㎏級・小路直頌(自衛隊=3位決定戦でテクニカルフォール負け)「ハンガリー・グランプリでも同じような形(ローリングで回され失点を重ねた)で負けている。全日本合宿ではずっとグラウンドの守りを課題に取り組んできた。それでも、まだ足りない。海外の選手は日本にいないようなクラッチをして、上げてくる。それの対応が全然追いついていなかった。

 日本の選手は普通インディアンク・ラッチをするけど、海外の選手は腕が長いので上腕部をつかむクラッチをしてくる。決勝はクラッチされ、上げられた瞬間にやばいと思いました。対策としては、まずクラッチを組ませないところから始めないといけない。組まれたら、駿発力と力とスピードでもっていかれる。いろいろなパターンを練習して頭に入れて置かなければならない」


 ■男子グレコローマン87㎏級・角雅人(自衛隊=3位決定戦でテクニカルフォール負け)「決勝で闘ったルスタム・アサカロフ(ウズベキスタン)は初めて闘う相手でした。1階級上の選手ということは以前から知っていて、抱え込んできたら強いということも知っていました。そうならないように練習してきたけど、現実は想像を越えていました。今までやったことのないタイプでした。日本ではあまり抱えてくるタイプが少ないので、経験不足というのも大きい。

 笹本コーチからは『ああいうふうに中途半端に正面に入ると、そられてしまう。しっかり横について腰に手を回したら相手はやりづらい』というアドバイスをいただきました。そうすべきでした。中途半端な状態で投げられたことで、自分に恐怖心が芽生え、さらに中途半端な右差しになってしまった。ただ、アサカロフみたいなタイプと対戦することができたことで、今後の練習に活かせる新たなイメージはもらえたと思います」


 ■男子グレコローマン130㎏級・河野隆太(あずまフーズ=初のアジア選手権で初戦敗退)「初めてのシニアの国際大会だったので、もう少しマットに立って試合をしていたかった(第1ピリオド、46秒でテクニカルフォール負け)。自分が持っている力をどれだけ出せるかが、今大会の目標でした。敗因は力不足。現在は地元の三重県で仕事をしながらレスリングをやっている立場。定時まで仕事をして、今回の反省を活かしながら練習に取り組んでいきたい」

© 公益財団法人日本レスリング協会