8連勝の広島を止めた! ヤクルト高梨が6回無失点8Kで移籍後本拠地初勝利

ヤクルト・高梨裕稔【写真:荒川祐史】

前回登板4月21日の中日戦では2回5失点 変化球の制度改善され好投

■ヤクルト 4-2 広島(28日・神宮)

 ヤクルトの高梨裕稔投手が28日、本拠地・広島戦に先発し、6回無失点8奪三振の力投で今季2勝目、神宮球場では初勝利を挙げた。前回登板となった4月21日の中日戦では2回5失点と試合を作れなかった。「前回チームに迷惑かけたので勝たせる投球をと思っていたのでうれしいです」と声を弾ませた。

 直球、カーブ、フォークとどの球種でもカウントを稼ぐことができた。序盤から制球良く、テンポの良いピッチングだった。一番のピンチは5回。先頭の安部、野間に連続安打を浴びて、無死一、二塁のピンチを迎えた。続く石原がスリーバント失敗。代打・バティスタは手がでず見逃し三振。田中をライトライナーに仕留めた。興奮し、思わずグラブを“パン”とたたいたが、投げている場面では「あの回は冷静に投げることができました」と気持ちのコントロールもできていたと振り返った。大きな落差のフォークが効果的だった。

 昨年末に日本ハムからトレードで移籍してきた2016年の新人王右腕。新天地でも不安を抱えながらのスタートとなったが、ローテーション投手としてまわり、存在は日に日に大きくなっている。ファンに向かって「大きな声援をいただいて、投げているときに力を感じましたし、(神宮球場で)早く1勝したいと思っていました」と感謝を伝えると、ファンからさらに大きな声援を受けて笑顔もこぼれた。

 打線も2回に荒木の2号ソロなど序盤から4本塁打で8連勝の広島の勢いを止めた。小川監督も「荒木が行けるという雰囲気を作ってくれました。何より、初回、高梨が立ち上がりからゼロに抑えたのもそういう展開になった。真っすぐとフォークで有効的にバッターを抑えられたと思う」と称えていた。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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