ヒュンダイ配下のヌービル、タルキーニがTCRドイツに参戦へ。パッドンはi30TCRを購入

 WRC世界ラリー選手権とWTCR世界ツーリングカー・カップの両選手権でヒュンダイ契約ドライバーとして活躍するティエリー・ヌービル、ガブリエル・タルキーニが、ヒュンダイ・モータースポーツGmbHが拠点を置くドイツのTCR選手権、ADAC TCRドイツ・シリーズにゲスト参戦することが明らかになった。

 双方の主戦場でタイトルコンテンダーとして活躍を演じるヌービル、タルキーニの両名は、TCRドイツに参戦を続ける名伯楽、フランツ・エングストラー率いるチーム・エングストラーからVIPカーの枠を利用してゲスト参戦する計画が持ち上がっており、このトップカスタマーが用意するヒュンダイi30 N TCRのシートには各イベントごとに異なるドライバーが招待されることになっている。

 ただし、両名ともにタイトル獲得に向けシリーズを戦うWRC、WTCRの戦況を見極めての判断となるため、カレンダー中のどのラウンドでのエントリーになるかは未定のままとなっている。

 このチーム・エングストラーのVIPカーゲストの候補には、フランツの子息であり昨季のTCRドイツでランキング2位を獲得しているルカ・エングストラーのドライブも予定され、その他にも2019年はターゲット・コンペティションからTCRヨーロッパにチャレンジすることが発表された女性ドライバー、ジェシカ・バックマンの起用も計画されている。

 発表済みのTCRドイツのエントリーリストでは19台の年間エントリーがあり、ヒュンダイ、ホンダ、アウディ、クプラ、フォルクスワーゲン、そしてオペルの6マニュファクチャラーが参戦。2018年チャンピオンのハラルド・プロチェクがHPレーシングのヒュンダイをドライブするほか、エングストラーも2台のヒュンダイを投入してテオ・クワコウ、マックス・ヘッセを起用する。

WRCのファクトリードライバーとして毎年のようにタイトル争いを展開するティエリー・ヌービル(右)
初代WTCR王者となったガブリエル・タルキーニも国内選手権に初参戦することに

 また2017年にシリーズランキング2位となり、2018年はTCRヨーロッパにも参戦したマイク・ハーダーは、2019年TCRドイツのグリッド上に並ぶ4台のFK8ホンダ・シビック・タイプRのうち1台をドライブ。チーム・ホンダADACザクセンのエースとして、先のテストではトップタイムもマークしている。

 そのほか、WRCでヒュンダイ契約ドライバーとして活躍したニュージーランド出身のヘイデン・パッドンは、ターマック(舗装路)でのドライビングスキルを向上させる目的で個人的にヒュンダイi30 N TCRを購入したことを明らかにした。

「地元のNZでTCRカーをドライブする機会を持てるのは本当に素晴らしいことだ。シートに座る時間はとても貴重なことで、あらゆる状況、マシン、トラックで走行機会を持つのは有効なんだ」と狙いを語ったパッドン。

 2019年のWRCシーズンでは、セバスチャン・ローブのヒュンダイ加入によりレギュラーシートを喪失する形となっていたパッドンだが、すべての可能性にトライしてWRC復帰の可能性を模索したい、と意欲を語る。

「だからこそ、i30が購入できる機会が来たときには何の迷いもなく決断したよ。この経験がドライビングの成長を助けてくれると思うし、とくにターマックでの技術向上に大いに役立つと考えているよ」

2020年にNZ国内TCR選手権創設が発表されたこともあり、そのシリーズでの活用も見込まれるヘイデン・パッドン所有車
ヒュンダイのラリークロス車をテストするなど、精力的にスキルアップを模索するヘイデン・パッドン

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