認知症高齢者 地域で支えよう 長崎 小榊小校区見守りネット発足

住民同士で意見を交わした見守りネットワークの発足式=長崎市、小榊地域センター

 長崎市小瀬戸町の小榊地域センターで28日、「小榊小学校区見守りネットワーク」の発足式があり、地域の目線で認知症高齢者を見守る事業が始まった。
 同小校区の神ノ島、小瀬戸、木鉢、みなと坂、西泊、立神地区に住む65歳以上の高齢者は1810人(昨年末現在)。高齢化率は23.2%。今後も増加が予想される。校区内でたびたび認知症高齢者の行方が分からなくなる事案が発生しており、地域で見守る仕組みを望む声が上がっていた。社会福祉法人小榊アスカ福祉会(同市みなと坂1丁目)が事務局となり、ネットワークを構築した。
 メンバーは自治会長や民生・児童委員、老人クラブ会長のほか、医院や新聞販売店など個人・団体で構成する。活動は行方不明者の捜索と、徘徊(はいかい)している高齢者がいないかどうかの見守りが中心。協力者を増やすことで独居や認知症高齢者の存在を把握し、未然に防ぐ環境づくりを目指していくという。
 行方不明になった高齢者に対しては警察が捜索するほか、長崎市内では市社会福祉協議会の「ささえあいネットワーク」と市の「徘徊高齢者等SOSネットワーク」が取り組んでいる。社協と市の事業は捜索の対象者、協力者共に事前登録となっている。小榊小校区見守りネットワークは対象者の登録を求めていない。
 発足式ではネットワークの説明や意見交換があった。小榊アスカ福祉会の吉田芳男理事長(71)は「認知症などの人が安心して暮らせるよう、地域の人で支えていきたい。今後いかに充実させるかが課題」と抱負を語った。今後も会合を重ね、見守り態勢を充実させていくという。

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