全体1位指名右腕・マイズがAA級デビュー戦でノーヒッター

A+級で開幕を迎え、4先発で2勝0敗、防御率0.35という圧倒的な数字を残してAA級に昇格したケーシー・マイズ(タイガース)が、AA級デビュー戦でノーヒッターを達成する快挙を成し遂げた。現在21歳のマイズは2018年のドラフトでタイガースから全体1位指名を受けた有望株右腕であり、早ければ今季終盤にメジャーのマウンドで投げる姿が見られるかもしれない。

タイガース傘下AA級エリーでノーヒッターが達成されるのは史上4度目であり、早くも今季2度目。日本時間4月25日の試合で、アレックス・ファエドが7イニングを無安打に抑えたあと、継投によるノーヒッターが達成されている。

マイズは初回の先頭打者に死球を与えたものの、次打者を遊撃への併殺打に打ち取り、初回を打者3人で抑えると、2回から6回まで5イニング連続で三者凡退。7回裏二死から四球による走者を許したが、最後までヒットは打たれなかった。

「速球のコマンドが良くなかった。今季一番悪かった」と自身のピッチングを振り返ったマイズだが、「代わりにカッターをたくさん投げた。今日はどんなカウントでもカッターでストライクを取ることができた」と語ったように、自身の状態を冷静に分析して即座にピッチングを修正。こうした修正能力の高さこそが、マイズがトップ・プロスペクトであるゆえんなのだろう。

ノーヒッターを達成しただけでなく、わずか98球(うちストライク70球)で9イニングを投げ抜いたことも特筆に値する。6回裏をたった4球で三者凡退に抑えるなど、効率の良いピッチングを展開し、プロ入り後初めての完投となった。

試合は5回表にエリーが先頭打者ジェイク・ロジャースのヒットと相手投手の暴投、次打者ホゼ・アソカルのバント安打で無死一・三塁のチャンスを作り、チャド・セディオのファーストゴロの間に1点を先制。これがこの試合唯一の得点となり、エリーは1対0で勝利を収めている。

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