UEFAチャンピオンズリーグ準決勝で激突することになったアヤックスとトッテナム。今季のCLで最もサプライズだった2チームといえる。
ここでは古巣アヤックスとの対決に燃えているはずのトッテナム選手たちを取り上げてみる。
ヤン・ヴェルトンゲン(ベルギー代表DF)
アヤックス:2006~2012、トッテナム:2012~
昨年のワールドカップで日本代表相手にゴールを決めた万能型秀英ディフェンダー。
アグレッシブな守備と左足でのビルドアップ能力、そして守備的ポジションならどこでもこなすバーサタリティ性は秀逸だ。
アヤックスでは19歳でデビューすると、レンタルを経て主軸へと成長。かつては若さを露呈することもあったが、若くしてキャプテンを任されるなどして成熟していった。
トッテナム移籍時には「スパーズはずっと前からの意中のクラブ」という一途さを見せたほか、ヨハン・クライフ大学を首席で卒業する秀才でもある。
今回の対戦に向けては、親友デイリー・ブリントとの対決を楽しみにしているそう。
なお、彼は19歳だった2007年に父親を亡くしているが、母リアさんとともに父との思い出が詰まったトヨタ・カローラに9年以上も乗っている。
ダビンソン・サンチェス(コロンビア代表DF)
アヤックス:2016~2017、トッテナム:2017~
昨年のワールドカップで日本代表とも対戦したコロンビアの怪物センターバック。
身体能力に秀で、高さ強さ速さを併せ持つ。また、パス出しも悪くない。
2016年に欧州へ初上陸すると、オランダで圧巻のプレーを披露。わずか1年でスパーズがクラブ史上最高額で獲得するに至った。ちなみに、弱冠16歳でデビューしたアトレチコ・ナシオナルではMF登録だった。
マウリシオ・ポチェッティーノ監督も「クレバーでアグレッシブで速い。ロナウドやオーバメヤングにスピードで勝負できるDFは少ないが、そのポテンシャルを持っている」と絶賛している。また、英語もすぐに習得したそう。
クリスティアン・エリクセン(デンマーク代表MF)
アヤックス:2010~2013、トッテナム:2013~
デンマーク史上最高と言っても過言ではないMF。
アヤックスと契約する前からバルセロナやチェルシーから狙われた神童だった。当初はユースでプレーするだったが、あまりの成熟度に驚いたマルティン・ヨル監督から抜擢されトップデビューを果たす。
プレミアリーグ挑戦はフィジカル面が不安視されたが、抜群のサッカーIQを武器に躍動。パス、ドリブル、得点力、フリーキック、戦術的ランニングと全てを兼ね備えており、まったく欠点のない存在にまで上り詰めた。プレミアでも最高のチャンスメイカーといえる。
トビー・アルデルヴァイレルト(ベルギー代表DF)
アヤックス:2008~2013、トッテナム:2015~
ワイルド系イケメンなベルギー代表ディフェンダー。
スピードと激しいタックルを持ち味としたCB。強烈なフィードがあり、スピードに乗った攻め上がりもできたため、かつては右SBでも起用された。
アヤックスではシーズン中に彗星のごとく現れると、すぐさまレギュラーの座を掴んだ。
トッテナムとアヤックスを指揮した経験を持つマルティン・ヨル元監督はこんなことを語っている。
「アヤックス時代、アルデルヴァイレルトとヴェルトンゲンは私のもとでプレーした。それぞれ20歳、21歳だったが、驚異的なシーズンを送ったんだ。ホームでシーズン4失点しか許さなかったのさ」
その後、アトレティコ・マドリー、そして吉田麻也とプレーしたサウサンプトンを経て、スパーズに加入。ポチェッティーノ監督の教え子のひとりでもある。
最後はアヤックスとトッテナムといったら触れずにはいられない元選手を紹介する。
ラファエル・ファン・デル・ファールト(引退)
アヤックス:2000~2005、トッテナム:2010~2012
アヤックスが生み出した最高傑作のひとり。天才肌のゲームメイカーとして弱冠17歳にしてデビューすると、瞬く間に主力へと成長した。
気性や調子にムラっ気があったものの、密集地でもボールを失わないキープ力と相手の逆を突くドリブルスキルで起点となり、そこから多彩なパスで決定機を創出。さらに自らもゴールを奪う得点力さえも兼ね備えていた。
ハンブルガーSV、レアル・マドリーを経て加入したスパーズでは絶対的存在として君臨。本人も「自身最高の時を過ごした」と認めているように、キャリアで最も輝きを放った。