就活生の弱みに付け込むリクルーター 排除するのは会社の「責務」だ(篠原あかね)

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事業者にハラスメント防止措置義務を定めた「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」(女性の活躍推進法の改正案)の審議が、衆議院厚生労働委員会で2019年4月17日から始まりました。審議はスピーディーに進み、新元号「令和」に変わるまでに採決されるのではと言われています。

就活でのセクハラは「断れない」学生に付け込む卑劣な行為

就活生が断りづらいのは当然

セクハラについては2006年から措置義務が定められていますが、最近話題になったのが現に会社に勤めている労働者だけでなく就職活動を行う学生(就活生)に対するセクハラです。

OBやOG訪問で、実際の業務内容や会社の雰囲気を知りたいという学生の気持ちにつけこみ、卑劣な行為を繰り返す輩がいることはじつに許しがたいです。

社会人であれば、身を守るための方便も容易でしょうが、学生にとっては「おかしいな」「イヤだな」と思っても、採用に悪影響が及ぶことを懸念して断りづらいのは当然です。

大学では、

「日中の時間帯、会社に近い喫茶店や社員食堂など人目の多い場所を選ぶ」

「居酒屋などに誘われても、無理に飲まされそうになったり密室に誘われたりしたら、すぐに逃げる」

など、注意喚起しているようですが、私はOB、OG側である社員が節度ある言動をするよう企業が厳しく指導すべきと考えます。

会う時間や場所への配慮はアポ取りのマナー

一般的に、仕事で初めての方とお会いするときは、どちらかのオフィスへ出向くか喫茶店などを利用しますよね。事前に電話やメールで、何回かやり取りをしていても、いきなり飲みには行きません。二人きりで夜に会いたいなんて言おうものなら、本人だけでなく会社にも不信感を持たれてしまいます。会う時間や場所に配慮することはアポイントメントを取る際のマナーでもあります。

会社を代表して就活生と会うわけですから、通常と同じ振る舞いをすべきと社員一人ひとりが自覚しなくてはいけません。

OB・OG訪問では、採用する側とされる側という上下関係があり、少々羽目を外しても大丈夫だろうと気が緩むのかもしれませんが、仮にその学生を採用しなかったとしても、その学生が将来の直接的、間接的お客様になることは当然あります。自身の軽率な言動が会社にとって大きなダメージになることをOB・OG対象となる年代(特に若手)へ教育することは企業の義務ではないでしょうか。

ILO(International Labour Organization 国際労働機関)が2019年6月の総会で採択を予定しているハラスメント禁止条約は、包括的なハラスメント禁止条約として実効性のある内容だそうです。

法的にはインターン生は別として、就活生全般を労働者として扱うのが難しいことは承知しています。しかし、このような国際的な潮流やふつうの労働者以上に就活生の立場が弱いことを踏まえると、就活生に対しても安心して就職活動に専念できる環境整備が望まれます。(篠原あかね)