岡山・妹尾の栗村神社が全面修復 住民ら寄付、5日に奉納行事

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修復を終えた栗村神社の本殿

 栗村神社(岡山市南区妹尾)は、江戸時代に建てられたとされる市重要文化財の本殿をはじめとした境内の建物を68年ぶりに全面修復した。老朽化で存続が危ぶまれ、地元住民らが寄付などで協力した。完成を記念し、5日に奉納行事を行う。

 本殿は、檜皮(ひわだ)ぶき屋根の損傷の激しい部分を取り除いた後、これ以上風雨で劣化しないよう上から銅板をかぶせた。屋根板を支える垂木が朽ちて傾いていた拝殿と、随身門、山門の屋根瓦はいずれもふき替えた。二つの門は、彫刻が施された梁(はり)を残して木材も一新した。

 修復に当たっては地元住民と企業に寄付を依頼し、約400人が応じた。地元の宮大工が工事を担い、氏子を中心に住民らも廃材の片付けや清掃に協力するなど地域を挙げて取り組んだ。

 同神社の記録によると、1951(昭和26)年に本殿の檜皮をふき替え、拝殿を大修理して以降、劣化が進んだ。雨漏りを防ぐシートや仮の支柱で対策してきたが「限界があり、このままでは倒壊の恐れもある」と、総代長の安井住夫さん(92)を含む総代7人が修復を計画。2017年9月に着手した。

 事業の完了を祝い、5日午後1時から、備中神楽や小学生による和太鼓演奏を奉納する。総代の矢吹忠義さん(77)は「多くの人の協力で無事、終えることができた。これからも由緒ある神社を守り、伝統文化を後世に継承していきたい」としている。

 栗村神社 吉備津彦命(きびつひこのみこと)の軍に従い、吉備平定に功労のあった妹尾叔奈麻呂命(せのおすくなまろのみこと)が祭神。本殿は入り母屋造りで、本殿内部の宮殿の扉に刻まれた文から1702(元禄15)年の建立とみられる。往時の姿をとどめており、18世紀初頭の児島地域を代表する建造物として2007年に市重要文化財に指定された。