「九州ジュニアキャンプ」 NBA選手が中学生を指導 長崎県出身の永田さんら元日本代表も

参加者とハイタッチする渡辺選手=シーハットおおむら

 バスケットボールの元五輪選手らがコーチを務める「TREASURE2019オール九州ジュニアキャンプ」が1日、長崎県大村市のシーハットおおむらを主会場に始まった。初日は特別ゲストとして日本人2人目の米プロNBAプレーヤー、渡辺雄太選手も登場。長崎県を中心に各県から選抜された中学生男女計66人が、楽しみながらハイレベルな練習に臨んだ。

 松園尚己記念財団と県バスケットボール協会が開催。同財団の松園和子理事長が「新しい令和の時代を担う子どもたちは宝物。長崎・九州では機会の少ない一流選手との交流やトップコーチの指導を通じて成長し、このキャンプを宝物にしてほしい」という思い込めて、イベントのタイトルに「TREASURE」という言葉を入れた。

 メインコーチは元女子日本代表主将の大神雄子さん。長崎県出身で五輪2大会に出場した永田睦子さん、元日本代表の中川聴乃さんらがサポートコーチを担当した。

 大神さんが「どんどん挑戦していこう」と呼び掛けて、キャンプがスタート。午前中は6班に分かれて、各コーチから2対2、ドリブル、シュートスキルなどを高めるポイントを学んだ。渡辺選手が各班を回ってアドバイスや実技披露をする場面もあった。

 長崎県選抜男子の谷俊太朗選手(長崎南山3年)は「渡辺選手に会えたのがうれしすぎてハグしてもらった」、女子の鬼塚花音選手(鳴北3年)は「きょう教わったことをチームに持ち帰って生かしたい」と満足げだった。

 地元の後輩たちを指導した永田さんは「長崎でこれだけのイベントがあるのは単純にすごい。子どもたちには今回をいい機会にして、テーマであるチャレンジを続けてほしい」と期待を寄せた。

 最終日の2日も午前9時から午後5時まで、シーハットおおむらを主会場に各種トレーニングやゲームを実施。午前11時半から1時間半、NBAチームのトレーナー経験があるコーチ2人による保護者や指導者向けのセミナーもある。クリニックの見学やセミナーの受講は無料で参加自由。

 ■渡辺選手「夢を持ち続けて」

 特別ゲストとして登場した米NBAグリズリーズの渡辺選手。自身の「子どもたちと触れ合う機会があれば」という思いと、主催者の熱心なオファーが合致して、今回の来崎が実現した。日本代表としても活躍している身長206センチのスターは「中学生たちの心からバスケットを楽しんでいる姿に初心に帰ることができた」と笑顔を見せた。

 尽誠学園高(香川)時代に全国的に注目されるようになったが、中学3年の春ごろは身長175センチほどだったという。それでも、幼いころからの「NBA選手になる」という夢を追い続け、心技体すべてで大きく成長してそれをかなえた。

 この日は練習の空き時間にもダンクシュートを披露したり、観客の子どもたちとパスをしたりして積極的に交流。自らが目標とされる存在になった24歳は「夢を持ち続けて、夢に向かって頑張っていこう」とエールを送り、参加者とハイタッチして長崎を後にした。

永田さん(中央)の指導を受ける参加者=シーハットおおむら

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