横須賀市大矢部の大貫義三郎さん(76)方の玄関先に置かれているタヌキの置物内で、シジュウカラのつがいが子育てをしている。置物が巣箱代わりに使われるのは3度目。大貫さんは「令和の時代になっても、また来てくれるなんて…」と、“再会”に目を細めている。
置物は高さ約30センチで、中は空洞。タヌキの背中の部分に直径約4センチの穴があり、親鳥はそこから出入りしている。1週間前、餌を運んでいる姿を大貫さんが見つけた。同じ置物での子育ては、19年前と3年前にもあった。巣立った後に確認したところ、直径約20センチの巣があったという。内部は見えないためヒナの様子は分からないが、「これまで通りなら5~6羽はいるのでは。無事に巣立ってほしい」と願っている。
横須賀市自然・人文博物館の萩原清司学芸員は、「シジュウカラは、自分で木に穴を開ける能力はなく、他の鳥が開けた穴や巣箱などを利用する習性がある」と説明。「3度も利用されるとは、相当居心地が良く、ちょうど良い空き家だと思っているのでしょう」とほほ笑んだ。