【女子プロ野球】地元で京都フローラが春季リーグ優勝! 勝率.786の圧倒的な強さを見せつける

胴上げをされた京都フローラ・川口監督と選手たち【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】

川口監督は投手陣を評価「ピッチャーが試合をつくった試合が多かった」

 5月3日、わかさスタジアム京都で行われた女子プロ野球・春季リーグ京都フローラ対愛知ディオーネは、2-1で京都フローラが勝利し、春季リーグ優勝を決めた。

 引き分け以上で春季リーグ優勝が決まる京都フローラは小西美加、愛知ディオーネは堀田ありさの両右腕が先発。試合が動いたのは4回。愛知ディオーネが2死から7番榊原がプロ通算100本目となるツーベースヒットを放ったのを皮切りに、満塁のチャンスをつくる。

 榊原は、「チーム皆んなに声をかけてもらい、『令和一発目の記録達成を狙おう!』と前向きに取り組めたことが良かったと思います」とコメント。しかし、胴上げ阻止のために先制点が欲しいディオーネだったが、ここは小西が後続を打ち取り得点ならず。

 するとその裏、京都フローラは3番村松のヒットなどで1死1,2塁として、6番三原が打席へ。堀田の低めの球を見事にとらえた打球は左中間を破り1塁走者も一気に生還。さらに続く7番中嶋にもタイムリーヒットが生まれこの回3点の先制に成功する。

愛知ディオーネは3位に転落

 このままフローラのペースで試合が進むかと思われた5回、絶対に負けられないディオーネ打線が小西をとらえる。満塁の場面で6番に入った金城が追い込まれてからファウルで粘り、小西の変化球を強振。強い打球が三塁線を破る間に2者が生還し1点差。悔しい表情を浮かべ、小西はマウンドを降りる。

 川口監督は守護神・森若菜を早くも投入し逃げ切りを図るが、ディオーネの7番・榊原がレフト前にはじき返し試合は振り出しに戻る。引き分けでも優勝が決まるフローラだったが、選手たちは勝利で決めること以外考えていなかった。

 5回裏、愛知ディオーネ2番手の坂東から1死一、三塁と勝ち越しのチャンスをつくると、4番岩谷がサード強襲の勝ち越しタイムリー。2本塁打を放ちながら打撃に苦しむ4番のバットで勝ち越すと、5番三原、7番中嶋にもタイムリーが飛び出すなどこの回打者一巡の猛攻で5本のヒットを集中させ3点を奪う。

 さらに6回にも3点を追加し、完全に試合の主導権を握ったフローラは、最終回も森がマウンドへ。最後は3者凡退に退け、京都フローラが春季リーグ優勝を決めた。京都フローラは勝率.786(5月3日時点)と圧倒的な強さを誇り春季リーグを制覇。令和初勝利は新しいシーズンの優勝を決める記念すべき日となり、川口知哉監督は京都の空に3度舞った。

 試合後、川口監督は、「春季リーグの戦いを振り返ると、『ピッチャーが試合をつくった』試合が多かった。それは先発、中継ぎ、抑えという役割分担の中で、それぞれがきっちり自分たちの仕事をしていたから。一方、野手では、上位打線の安定は当たり前だが、下位打線の頑張りが目立っていたのではないかと思う。

 下位打線、特に6番からの得点が多かったが、それが相手にとって嫌な攻撃になっていたと思うし、またその中で盗塁も多く足もつかえるのも一つポイントだった。このように投手、野手がそれぞれ仕事をすることで、チームとして流れを引き込んだまま試合を進められることが多かったのが、優勝に繋がった。今後は、また少し違ったチームカラーをつくっていこうと考えている。先発の起用など、役割を変えることで変化をもたせたい」と、今後の方向性についても語った。

 一方の愛知ディオーネは中盤以降粘り切れず敗戦。優勝の可能性が完全に消滅するとともに、この日の第1試合で勝利したアストライアに代わって3位に転落した。日本女子プロ野球リーグ

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