日本の民間初「MOMO3号機」宇宙空間へ到達!ダイジェスト動画も公開

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2019年5月4日、インターステラテクノロジズは4月30日から2度延期された小型ロケット「MOMO3号機」の打ち上げを実施。機体は打ち上げから4分後に高度113.4km(暫定値)に到達し、北海道広尾郡大樹町の打ち上げ場から東南東37kmの海上に落下。同社のYouTubeチャンネルでは、打ち上げのダイジェスト動画が公開されています。

宇宙と大気圏の境界とされる高度100kmを突破(80kmとする場合も)したことで、インターステラテクノロジズは日本の民間としては初めて、単独で開発したロケットを宇宙空間へと打ち上げた企業になりました。

心臓部であるロケットエンジンを含む機体全体の自主開発から打ち上げまでを実施するスペースXのような企業は、世界を見渡してもそう多くはありません。たとえば、アメリカで数多くの打ち上げを担うユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)「アトラスV」は、第1段にロシア製のエンジンを使っています。

もちろん、「ニュー・ホライズンズ」をはじめとした数多くの探査機も打ち上げてきたアトラスVと、宇宙に到達はするものの地球を周回しない弾道飛行を行うMOMOでは、機体もミッションもスケールが全く異なるので、単純に比較することはできません。

しかし、ULAほどの大企業でも困難なロケット全体の自主開発に、たとえ小規模ながらもインターステラテクノロジズは成功したことになります。こちらは、インターステラテクノロジズが公開しているロケットエンジンの燃焼実験の様子です。

打ち上げそのものも実験とされていましたが、MOMO3号機には科学実験用のペイロード(貨物)として、高知工科大学が開発したインフラサウンド(超低周波音)計測器が搭載されていました。

人には聞こえない超低周波音(0.05~20ヘルツ)は、津波、雷、噴火、竜巻、台風、それに隕石の落下といった災害のモニタリングに活用できると期待されています。ただ、音が遠くまで届く際に通過することがある高度40km以上の高空における伝わり方を調べるには、観測ロケットなどを使って実際に音を測定するしかありません。

そこで、MOMO3号機に搭載された計測器では、最高高度到達後の落下時に超低周波音を実測。超低周波音の音源には、地上から打ち上げた花火が使用されました。測定されたデータは、全国1000カ所に設置が計画されているセンサー網の構築に役立てられる予定です。

創業者である堀江貴文氏にちなんで「ホリエモンロケット」と呼ばれることが多いインターステラテクノロジズのロケットですが、その起源は漫画家のあさりよしとお氏や小説家の笹本祐一氏、宇宙機エンジニアの野田篤司氏、それに堀江氏らによって10年以上前に結成された「なつのロケット団」が、あさりよしとお氏の自宅で水を使った実験を始めたロケットエンジンに遡ります。

今後、インターステラテクノロジズでは、高度500km前後の地球周回軌道に重さ100kg以内のペイロードを投入できるロケット「ZERO」の打ち上げを2023年中に予定しています。

自分たちの作ったロケットで、人工衛星を飛ばす。ロケット好きの夢から始まった挑戦は、いよいよその最終段階に向けて動き始めました。

Image credit: インターステラテクノロジズ