【MLB】イチロー氏、オリ時代の秘話をマ軍元社長が語る 「壁にグリフィーの写真が…」

1日(日本時間2日)本拠地T-モバイル・パークで引退後初めてファンに姿を見せたイチロー氏【写真:AP】

マリナーズ元球団社長がオリックス時代のイチロー氏が語った秘話を明かす

 東京ドームで行われた3月21日のアスレチックス戦を最後に現役を引退した元マリナーズのイチロー氏。2000年オフにオリックスからポスティングシステム(入札制度)でマリナーズに移籍し、数々の伝説を作った。4月30日(日本時間1日)には、マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターに就任することが発表されたイチロー氏との思い出を当時の球団社長らが米国の権威ある野球専門誌「ベースボール・アメリカ」に語っている。

 日本で9年、アメリカで19年プレーし、通算4367安打をマークするなどメジャーリーグでも“レジェンド”として評価を受けるイチロー氏。2025年に米殿堂入りの資格を取得するが記事では「日本人選手として初めて殿堂入りするだろう」と断言している。

 パワー全盛期の中、日本人野手として初のメジャーリーガーとなったイチローには当初は懐疑的な見方が多かった。球団の上席副社長ランディ・アダマック氏も当時を振り返り「彼は謎だった。日本でスターだったが。彼はユニホームにファーストネームの“イチロー”をつけていた」と語っている。

 それでもルーキーイヤーの2001年にはMVP、新人王、ゴールドグラブ賞、首位打者など数々のタイトルを獲得し周囲の“疑問”を吹き飛ばした。イチローの活躍によりマリナーズの名はこれまで以上に世に広まった。

「すぐに国際的に知られるようになったよ。金銭面? 日本の旅行会社を通してチケットの売り上げがあったし、多くの商品が売れた。日本の観光客はセーフコの店で直接商品を購入することにより価値を置いていた。商品を大量に購入する人たちがいたよ」

 想像以上の“イチロー効果”にアダマック氏も驚きを隠せなかったようだ。日本の安打製造機が世界最高峰のメジャーリーグの舞台でもそん色ない活躍を見せ「イチロー」の存在はより大きくなった。世界的スターを獲得したマリナーズだが、記事ではオリックス時代に視察に訪れた際の秘話も明かされている。

 1997年に球団は高校生を視察に訪れていたが当時筆頭株主だった任天堂の山内溥代表取締役社長の指示によりイチローにもコンタクトを取ることになった。元球団社長のチャック・アームストロング氏は「壁に(グリフィーの)写真があり、彼は通訳を介してケン・グリフィーJr.と同じ外野でプレーしたいと語った。2年後(1999年)、彼は交流プログラムで我々のスプリングトレーニングに来た」と、イチローからメジャー志向があることを伝えられたことを口にしている。

 現役を引退し今後の動向にも注目が集まるイチロー氏。再び公の場に現れるときにはどのようなサプライズが待っているのか期待したい。(Full-Count編集部)

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