日本が誇る「爆速王」4名+1の現在地は

日本には足元の技術に優れたタレントが多く育っているが、その分、貴重なのがスピードのある選手だろう。

今回は、日本サッカー界を代表する“スピードスター”たちの現在を見ていこう。

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宮市 亮(ザンクト・パウリ)

宇佐美貴史らと同じ“プラチナ世代”の一人で、高校在学中にアーセナルと契約を結んだ宮市。

貸出先のフェイエノールトで衝撃的なデビューを飾ると、不振に喘ぐ名門の残留に貢献。圧倒的なスピードで外国人をぶち抜く姿は、日本人の新しい未来を予感させた。

その後はサッカー人生を左右しかねないほどのケガに苦しんでいるが、昨年9月に2年4か月ぶりとなる得点を記録すると、そこから今季5ゴール。うちヘディングが4点と新しい姿を見せている。

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自身はまだ日本代表復帰への希望を捨てていない。先日の試合で負傷してしまったが軽傷であることを祈りたい。

伊東 純也(ヘンク)

50m5秒台後半という脚力とダイナミックなプレーを持ち味とするのが伊東だ。

日本代表ではリオ五輪、昨夏のワールドカップに選ばれず、アジアカップでも控えに甘んじるなど必ずしも順風満帆とはなっていない。

しかし今冬ヘンクに移籍して以降は予想を大きく上回るパフォーマンスを披露しており、先日は“伝説未遂”となる超プレーで現地メディアからも称賛された。

これほどのプレーを見せられると、堂安律(フローニンゲン)で盤石かと思われた日本代表右サイドの序列にも影響が及ぶかもしれない。

浅野 拓磨(ハノーファー)

四日市中央工時代に高校サッカー選手権で活躍し、プロ入り後はサンフレッチェ広島でJ1制覇に寄与した浅野。

Jリーグでは“オーウェン級”のゴールを記録するなど、その力強いスピードから与えられた渾名は“ジャガー”。リオ五輪予選・韓国戦での2ゴールやワールドカップ行きを決めるゴールで日本中を歓喜させた。

しかしアーセナルと契約して以降は不遇の日々。ワールドカップの落選、アジアカップの負傷欠場、そして今季ハノーファーで無得点に留まり、契約の都合で残り試合の出場すらかなわなくなった。

今まさにサッカーキャリアの分岐点にいるかもしれない。しかしこの苦境を乗り越え、一回り大きな選手になってほしいものだ。

永井 謙佑(FC東京)

木村和司氏から「スピード違反」と脱帽されるなど、日本サッカー史上でも最速クラスの脚力で知られる永井。

学生時代から名を馳せ大学在学中に日本代表デビューすると、2012年のロンドン五輪ではスペイン撃破&4強入りの立役者となった。

その後ベルギーのスタンダールへ移籍するも3試合の出場に止まり約半年で帰国。以降は良かったり悪かったりで日本代表からも遠ざかっている。

しかし今季はディエゴ・オリヴェイラとの快足コンビがFC東京の攻撃の柱となっており、チームはJ1で首位に立つ。代表への復帰も見たいところだ。

奥川 雅也(ホルシュタイン・キール)

「古都のネイマール」と形容される彼はこの枠ではないかもしれないが、スピードもかなりのものだ。

デビュー前にリヴァプールなど名門クラブ移籍の噂まで浮上した逸材は、その後レッドブル・ザルツブルクへ加入したもののトップチームでの出場機会を得られず、あまり話題にもならなかった。

しかしブンデス2部へ活躍の場を移した今季、年が明けてから8試合5ゴールと絶好調だ。今夏コパ・アメリカでの初招集が現実味を帯びる状況となっている。

海外で培った経験を、日の丸を付けて見せてほしいところだが果たして。

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